世界で大きな変化が芽生えている。女性たちが体験を共有し、公職に立候補し、当選者数が増えている。メディアが彼女らの声を拡散し、女性に門戸を閉ざしたままの組織に厳しい問いを投げかける。いまこそ男女平等を実現させるべき時と考える筆者は、「社会における女性の権限と影響力の拡大」を目標に掲げ、夫のビル・ゲイツや仲間とともに活動する。目標実現に向けて最も重要なことは、戦略的資本および利害関係者との協働である…

男女間の格差は今日、世界でどのような状況にあるか。世界経済フォーラムが2006年以降毎年発表している「世界ジェンダーギャップ報告書」は、149カ国を対象に、経済参加と機会、教育水準、健康と生存、政治的エンパワーメントの4つの分野を分析している。これをもとに、各分野と地域別の状況を検討していこう。

アレクシス・オハニアンは、SNSのreddit（レディット）の共同創業者であり、現在は投資会社であるイニシャライズド・キャピタルの共同創業者兼マネージングパートナーとして同社を率いている。しかし、彼の人生で最も重要な役割は、テニスチャンピオンのセリーナ・ウィリアムズの夫であり、現在2歳の娘であるオリンピアの父親であることだと、彼は言う。その言葉通り、みずから育児休暇を取り、「働く父親」としての処…

世界経済フォーラムによると、現在の状況から考えて、米国における男女平等が達成されるのは208年も先だという。ベンチャーキャピタリストである筆者は、非線形の成長を目標とするベンチャーキャピタルならば、平等の歩みを加速できるだろうと考えている。そのためには現状のデータの公開、女性の成功モデルの宣伝、コミュニティづくり、さらには業界の改革という4点に、投資を振り向けるべきだと論じる。

2017年10月の『ニューヨーク・タイムズ』紙でハリウッドのセクシュアルハラスメントが告発され、その後アリッサ・ミラノがツイッターで呼びかけたことで、#MeTooは世界的なセクハラの告発運動に広がった。それに応答する形でTIME'S UP（タイムズ・アップ：もう終わりにしよう）という、セクハラ被害の撲滅運動が起こる。この運動の団体で要職にある筆者は、ハラスメントが企業にも害があることを論じ、セク…

米国で通年雇用の男女の資産額を比べると、100対32という大きな差がある。マイノリティの女性ともなれば、さらにこの差は拡大する。金融業界で上級職に就いている黒人女性の一人であるサスンダ・ブラウン・ダケットは、この状況の改善のため、恵まれない地域社会を中心に数百万人の金融リテラシーと経済状態を改善することに取り組んでいる。本インタビューでは、この取り組みやお金に対する考え方、そして金融界のリーダー…

日本の国会における女性進出の割合は低く、G20諸国で最下位であるばかりでなく、193カ国の中でも165位である。こうした政治参加が進まない状況は問題視されているが、程度の差こそあれ、米国の共和党でも女性議員の少なさに悩んでいるようだ。特に2018年の中間選挙では民主党との差が明らかになり、本稿の筆者は、共和党の女性議員を増やすためのプロジェクトを立ち上げた。共和党下院議員である筆者は、共和党の女…

メリンダ・ゲイツの論文「いまこそ、女性の力を解き放つ」（今号p.10に掲載）の意義や背景、示唆を明らかにし、その視点から日本の現状を分析し、日本の社会、企業、個人がどう行動すべきかについて考察していく。男女平等の実現には、制度改正や人事施策など外からのアプローチと同時に、格差を固定化する「無意識バイアス」を変える内からのアプローチが不可欠である。日本では無意識バイアスの影響が認知されていないため…

民間企業も官公庁も4年制大学卒の女性をほとんど採用せず、職場でワーキングマザーに対する支援制度など存在しなかった時代、岩田喜美枝氏は労働省（現厚生労働省）に入省し、2人の子を持つ母親として仕事と家庭の両立に奔走した。その中で、日本の男女平等を大きく前進させた、男女雇用機会均等法の作成にも携わっている。その後、資生堂初の女性副社長として数々の改革を実行するなど、行政と民間の最前線で女性の活躍を推進…

クレイトン M. クリステンセン教授は、その類稀なる功績にもかかわらず、物腰の柔らかい、謙虚な人柄で知られていた。経営者であれ、学生であれ、相手とともに学び、よりよい世界の実現に向かう──その横顔を紹介しつつ、世の中に与えた影響を振り返る。

顧客の声に従って製品や技術を改善することは、顧客満足の点からも、収益性や資源配分の効率性からも理にかなっている。しかし、ここにこそ落とし穴がある。主要顧客が価値を見出しておらず、また売上げや市場規模の見込みも小さい新技術を無視した結果、それに賭けた新規参入者によって市場を丸ごと奪われてしまうのである。「破壊的技術」の存在とそのメカニズムを明らかにした記念碑的論文。※邦訳初出はDHBR1995年7…

膨大かつ多様な顧客データを取得できる昨今、正しく分析できさえすればイノベーションを起こしやすいように思える。しかし、「顧客は何を達成したいのか」という視点を持たないままでは、革新的な価値を生み出すことはできない。イノベーションを体系的に起こすうえで不可欠な"Job to Be Done"（片付けるべき用事）とは何か。どのように見極めればよいか。その実践法が明かされる。※邦訳初出はDHBR2017…

自分の人生の目的とは何か。生きるうえで最も大切なこの問いをないがしろにして、目先の報酬や社会的名声を追い続けてしまうと、「時間」「能力」「エネルギー」という誰にも等しく有限な資源を無駄使いすることになる。最期を迎えるその瞬間に後悔することなく「自分の人生は成功だった」と評価できるように、かけがえのない日々をどう過ごすべきなのか。ハーバード・ビジネス・スクールの卒業生に贈った珠玉のメッセージ。※邦…

「ファイターとして当然怪我への恐れはある、だがナンバーワンになろうという意志はそれより強い」