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コロナ禍による緊張感が続く中、職場で些細なことに怒りを感じたり、言葉を荒げてしまったりすることが増えてはいないだろうか。その場の感情に任せて、相手に怒りをぶつけることは建設的ではないが、感情を押し殺して、不満を溜め込むことも健全ではない。むしろ、怒りのエネルギーを戦略的に利用することが重要だと筆者らは指摘する。本稿では、職場で怒りを感じた時、それをコントロールし、ポジティブな方向に変える「アンガーマネジメント」の6つのルールを紹介する。


 世界的なパンデミックの発生から2年、いまも張り詰めるような緊張感が漂っている。

 筆者らが、共著Big Feelings(未訳)のためにリサーチを行っていたところ、読者から「最近、ほんの些細なことでも冷静さを失ってしまう」という声を聞いた。WiFiの調子が悪い、上司から「?」とだけ書かれたメールが届いた、午後4時45分に同僚から急ぎの頼み事をされたことなどが、引き金になったそうだ。

 神経科学者のR. ダグラス・フィールズによれば、慢性的なストレスやトラウマを抱えていると、脳は「怒りの回路をつなぎ直す」という。つまり、プレッシャーにさらされ、毎日ストレスや恐怖を感じ続けていると、感情のリソースが枯渇し、ちょっとした刺激を受けただけで怒りやすくなるのだ。

 感情の爆発は、それほど気持ちのよいことではない。特に、怒りは有害で、非理性的で、抑制すべきものだとよく言われている。

 しかし、怒り自体は悪いものではない(そして、怒りを抑えることは自分や周囲の人にとってよいことではない)。それどころか、怒りは使いようによって、あなたの役に立つ。作家のデヴィッド・ケスラーは、「怒りは痛みのボディーガード」だと書いている。 

 たとえば、ピクサーのブラッド・バード監督は、不満を抱えたアニメーターのほうが現状を打開してくれるだろうと考え、新作映画の制作スタッフとしてあえて採用した。その結果、『Mr.インクレディブル』は興行成績の記録を塗り替えた。

 怒りをポジティブな方向に持っていくためには、以下で紹介する6つのことを実践するとよい。