●学習をリチュアルにする

 リチュアル(儀式や習慣)は、従業員が会社に帰属意識を持ち、パーパスとのつながりを感じる助けとなり、それが優れたパフォーマンスにつながる。

 オンライン学習プラットフォームのユーデミーでは、「ドロップ・エブリシング・アンド・ラーン」(DEAL)と呼ばれるリチュアルを実施している。筆者も大好きなリチュアルの一つだ。

 ユーデミーの従業員は毎月、ある水曜日の午後3時になると、このDEALに参加する。どのような業務を行っていても、全員が仕事を中断して、オンラインクラスを受講するのだ。自分が受けたいものならば、科目は何でもよい。

 筆者が、この素晴らしいリチュアルについて知った時、ユーデミーの従業員はそれぞれが日常業務の助けとなるクラスを受講するのだと思っていた。実際、そのような従業員もいるが、能力開発の機会をより個人的に利用している従業員もいるようだ。たとえば、ある従業員は、感謝祭の食事会を主催することになっていたため、七面鳥の調理方法を学べるクラスを履修した。

 従業員に能力開発の機会を与えると、彼らのエンゲージメントを維持することができる。これは重要なポイントだ。なぜなら、2016年のユーデミーの調査によれば、エンゲージメントが乏しく、退屈している従業員は、離職する割合が2倍に高まるからだ。同じ調査で、回答者の80%が、新しいスキルを学ぶと仕事によりエンゲージメントを感じられると答えていることからも、その重要性がわかるだろう。

 コロナ禍の前、AT&Tのマーケティング・アンド・グロース・オーガニゼーションには、楽しく、熱意に満ち、キャリアと個人の両方の成長を中心に据えた職場文化があったと、リテール・アンド・ハロー・ラボ・マーケティング担当バイスプレジデントのジーニー・ウィーバーは語る。ウィーバーは、100%バーチャルな環境で働く従業員のためにも、それと同じようなつながりと成果を生み出す環境を構築したいと考えた。

 そこで、ウィーバーは新たなリチュアルをスタートさせた。読書クラブだ。これは従業員が一緒に考え、学ぶ機会になった。ウィーバーによれば、読書クラブというリチュアルを通じて「(従業員が)ともに笑い、率直に会話を交わすことができ、自分の本当の弱さを見せることさえ可能になった」という。

「この時間は、各自が『人間としての自分らしさ』で参加することが、とても重要になる。(中略)1冊の本を1段落ずつ、1章ずつ読み進めていくうちに、チームのダイナミクスが強化されていく」