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先の見えない困難な状況下で、チームメンバーが不安を抱えたり、注意散漫になったりしてはいないだろうか。マネジャーとして、部下の精神的負担を軽減したいと思っても、必要な業務を遂行させながら、どのようにサポートするのかよいのか、判断に迷う場面も少なくないはずだ。本稿では、専門家の意見をもとに、このような「思いやりのマネジメント」の実践的方法を紹介する。


 困難な状況の中で部下をマネジメントするのは、けっして簡単なことではない。しかし、不穏なニュースが流れ、チームの意識がどこか別の場所にあることが明らかな時、部下をどのようにサポートするのが最善なのか。その判断は特に迷うことだろう。

 これまで通り業務を遂行していく必要と、思いやりのあるマネジャーになりたいという欲求との間でバランスを取るには、どのようにすればよいのか。何を言うべきで、何を言ってはいけないのか。そして、同じ理由で自分自身も精神的負担を感じていたとすれば、何をすべきなのだろうか。

専門家の意見

 大半の人は、不確実性に直面すると精神的負担を感じ、動揺して、不安になる。「私たちは神経構造上、極度に緊張した状況下ではストレス状態に向かうようにできている」と、サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)リーダーシップ・インスティテュートのCEO、リッチ・フェルナンデスは説明する。

 そして、ここから不健全なサイクルが始まることがある。「注意散漫の兆候が見られると、さらに注意散漫になりやすい。すると、私たちは不安が増していく」と、ハーバード大学医学部マクリーン病院コーチング研究所の創設者で『EA ハーバード流こころのマネジメント』の著者であるスーザン・デイビッドは述べている。

 チームで仕事をしていれば、このような感情が周囲に伝染する可能性がある。「その感情をわずかでも受け取ると、自分自身も同じように感じたり、真似したりするようになる」と、デイビッドは説明する。

 フェルナンデスによれば、「思いやりのマネジメント」、つまり「従業員に業務を遂行し続けてもらう必要性とのバランスを取りながら、自分はどのようにすれば彼らの役に立ち、利益をもたらすことができるかを理解しようとすること」が大切だという。

 これらを両立させながら従業員をサポートするには、どうすればよいか。以下、そのための実践的方法を紹介しよう。