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昇進のチャンスを目の前にして、躊躇する人は珍しくない。新しい役割を担えば、過去に経験したことのない課題に直面することもあるだろう。自分にはそのような課題を解決する力はないと自己不信に陥り、失敗することを恐れて、新たな機会を遠ざけてしまうのだ。昇進の機会が訪れた人は、4つの「悪魔」に出会うと筆者らはいう。本稿では、これら4つの悪魔の正体を明らかにし、打ち負かす方法を紹介する。


 昇進するために努力してきたものの、より大きな役割を担おうとする直前になって、躊躇したことはないだろうか。

 新しいスキルを必要とする重要な変化を迎える直前に、自分の能力を疑うことはよくある。成功すると新たなポジションに目が向くようになるが、その可能性を目の前にすると自己不信に陥る。そうして成長への熱意を削がれ、キャリアに対する意欲も減退する。主体性を失い、新しい役割を引き受ける前に辞退してしまう恐れがあるのだ。

 いまよりも大きな仕事を任せてもらえる頃には、自分の能力を最大限に発揮することに慣れている。それはたいてい、大きな責任を負うための条件の一つだ。何度も成功を重ねることで、すでに対処法を知っている課題だけに挑戦したい気持ちになる。ジョブトランザクション(仕事の移行)では未知の領域に足を踏み入れることになるので、そこでの失敗を恐れて、新たな機会を受け入れるのを躊躇してしまう。

 たとえば、筆者(スー)がワシントン大学とシアトル小児病院で准教授とメディカルディレクターの役職を兼務していた頃、学術医療における成功のパラダイムを変えることで世界を変え、ひいては医療提供者の生活を向上させることで、患者の生活を向上させたいという夢を持っていた。

 常勤の部門長と面接する機会を得た筆者は、その望みを実現する足掛かりを得た。しかし、不安に陥った。準備ができていないのではないか、人を失望させるのではないか、世間の批判を招くのではないか、他人の期待や評価という重荷に飲み込まれるのではないか、と。

 そこで、(本稿共著者の)ナワズに助けを求めた。ペンシルバニア大学ウォートンスクール教授のアダム・グラントは著書『THINK AGAIN』の中で、自分の間違った意見を見直す際は、2つのことを切り離すことが重要だと述べている。すなわち、自分の過去から現在を、自分のアイデンティティから意見を切り離すのだ。

 ナワズは、自分の感情や非生産的な思い込みから解き放たれるために、すべての疑念を捨てるよう促した。そうすることで、筆者は驚くほど意欲を喪失した状態から抜け出し、筆者とナワズが期待したような興奮を味わえるようになった。

 その後の数回のコーチングセッションを経て、筆者らは4つの「悪魔」を発見した。いずれも、成功したプロフェッショナルが重要なキャリアアップの機会に直面するものだ。また、それらを打ち負かすための戦略も明らかになった。