日本企業へのメッセージ

――クラウド導入およびSDGs/ESG経営を効果的に行うためのアドバイスをお願いします。

江﨑 クラウド移行は、サービスをコンポーネント化し、プロセスを抽象化する貴重なチャンスです。プロセスを抽象化できれば、どのようなビジネスのルールを作るべきかが見えてきて、DXやSDGs/ESG経営を進めやすくなります。関連して指摘しておきたいのは、SDGs/ESGを経営の真ん中に据えて成功させるには、「ポジティブスパイラル」の創出が大切であることです。日本は公害を出さないように工夫することで、結果として生産性が上がりました。マイノリティー支援のために技術を駆使したら、マジョリティーに役立つ先端技術が生まれたという例もたくさんあります。東京大学は、省電力を追求した結果、デジタルツインのオープンキャンパスという研究環境構築の重要性を認識しました。テクノロジーをうまく使えば、収益を上げつつ、同時に社会的課題を解決するポジティブスパイラルを生み出すことが可能なのです。

浦川 SOMPOグループは、企業の社会的存在価値を明確化する「パーパス経営」へとシフトしています。私が自分のパーパスとしているのは、戦略や施策をロングタームで考えることです。会社の役員は数年ごとに交代しますが、システムは数年ごとに作り変えることはできません。そこで2015年に、15年に及ぶシステムの整備計画を立てました。ビジネスモデルとシステムの両軸をロングタームで考え、次の人へと引き継ぎながら長期で実践していくことで、普通なら困難と思える変革も実行できると考えています。

――最後に、これまでの議論を踏まえ、デロイトとしてはどのような支援ができますか。

守屋 当社は、日本企業におけるクラウド普及に向けて、クラウド戦略室を立ち上げ、企業のクラウドジャーニーの実現を支援する統合的なオファリングを提供しています(図3)。どのようにクラウド化していくかという戦略策定から実装まで、エンド・ツー・エンドで支援します。
 

図3 デロイト提供するクラウドソリューション

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クラウド活用に関する戦略策定に加えて、オンプレミスからクラウドへの移行、クラウド上でのアナリティクス、API活用、ゼロトラストをはじめとするクラウドセキュリティーなど、包括的なクラウドソリューションを提供している。

 ただし、企業1社単位の取り組みだけでは、SDGs/ESG経営の成果にも限界があります。これからは、多種多様な技術・サービスを持った企業同士をクラウド上で連携させて、持続可能な社会を作り上げていかなければなりません。当社はこうした社会全体のクラウドジャーニーを支えるコーディネーターとしても貢献していきたいと考えています。

 

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デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
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