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コロナ禍でリモートワークが常態化し、その継続を望む従業員は多い。企業はこの要求に応えるために、出社勤務とリモート勤務が併存するハイブリッドワークを採用し始めた。ただし、この勤務形態では、オフィスで働く人たちが優遇されやすい。性別を理由に数々の不利益を被ってきた女性がリモートワークを行えば、ますます不利な状況に追い込まれる可能性があるのだ。本稿では、この「二重の不利益」の存在を明らかにし、女性自身、マネジャー、経営層がそれぞれ何をすべきかを論じる。


 最近の世論調査で、女性は概して男性よりも約10%高い水準で、完全または部分的なリモートワークを望むと答えている。筆者がペンシルバニア大学ウォートンスクールで担当しているエグゼクティブ教育プログラムの女性たちとの議論でも、またインフォーマルな会話でも同様に、リモートワークを強く望む声を耳にしている。

 女性たちが考えるメリットは、ワークライフバランスの向上、時間のコントロールがしやすくなること、家庭内の活動を管理しやすくなること、さらに通勤がなくなることで時間とお金の節約になること、などだ。

 しかし、従業員の一部は同じ場所で働き、それ以外の従業員はリモートで働くハイブリッド型の勤務形態はどうだろう。これは女性のキャリア、つまり昇進、出世、そしてキャリアアップにとってよいことなのだろうか。

 まず、ハイブリッドワークという言葉の意味をより明確に定義し、まったく異なるにもかかわらず混同されがちな2つのタイプを区別したい。

 ハイブリッドワークには、2つの大きく異なる方法がある。筆者はそれを「フレキシブル・ハイブリッド」(柔軟なハイブリッド)と「フィックスト・ハイブリッド」(固定されたハイブリッド)と呼んでいる。

 フレキシブル・ハイブリッドは、同じ従業員がある時は職場、ある時はリモートと、1週間を通して働く場所が変わることだ。これに対してフィックスト・ハイブリッドは、ある従業員は常に職場、別の従業員は常にリモートと、1週間を通して働く場所が変わらない。

 なぜこの区別が重要なのか。ある時はリモートで働き、またある時はオフィスで働くというフレキシブル・ハイブリッドを採用する女性のことは、楽観的に考えてよいだろう。一方、自分は常にリモートで働き、少なくとも一部の同僚はオフィスで働くフィックスト・ハイブリッド中の女性については、どうしても楽観視できない理由がある。

 リーダーは特に、ハイブリッド型のリモートワークを実施することで、女性が「二重の不利益」を被る危険性があると認識すべきだ。