2012年4月号
イノベーション・カタリスト
「スティーブ・ジョブズ」はいらない
世界最大の財務ソフトウエア開発会社インテュイットの共同創業者スコット・クックは、設立当初、アップルのような、デザインに卓越し、革新性にあふれ、素晴らしい製品やサービスによって消費者をいつもあっと驚かせる、そんな会社の経営を夢見ていた。しかし、そうした成功は、スティーブ・ジョブズのような、強烈な個性を持ったカリスマ的トップが不可欠であり、彼自身はその類の人物ではないと悟った。 そこでクックは、自社ならではのアプローチで、デザイン主導のイノベーション企業を目指す決意をした。同社は「デザイン・フォー・デライト」(D4D:顧客を感動させるデザイン)というイニシアティブを立ち上げたが、この取り組みで最も重要な役割を果たしたのは、イノベーションを触発し、全社に改革を推進するマネジャーたち、すなわちイノベーション・カタリストの存在である。 本稿では、クックと経営陣が同社独自のビジネスモデルを見出すに当たって、イノベーション・カタリストたちが果たした役割について紹介する。
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