Maciej Toporowicz, NYC/Getty Images

リモートワークが急速に普及し、企業も労働者も、もはやオフィスに縛られて働く必要はないと気づいている。この働き方の変化は、人材採用のアプローチにも大きな変化をもたらした。自社の人材だけで仕事を完結させようとするのではなく、リモートで働く優秀な人材にアクセスし、彼らの才能を積極的に活用するようになったのだ。フレキシブルタレントあるいはオープンタレントをうまく活用することで、企業は大きな成果を上げることができる。本稿では、採用アプローチにどのような変化が起きているのか、そして新たな雇用モデルを機能させるためにマネジャーは何をすべきかを論じる。


 想像してみてほしい。2019年の時点で、コンサルタントがCクラスの経営幹部に、「数日前に通知するだけで会社の大部分をリモートワークに移行でき、調整期間を過ぎたら生産性が向上し、従業員の多くはオフィスに戻りたがらなくなります」と告げたとしたら、そのコンサルタントの契約はおそらく更新されないだろう。

 だが、筆者らがそれぞれ独自に行った調査によると、これは多くの企業におけるリモートワークの進化を正確に表している。

 過去2年におよぶリモートワークの強制的な実験は、一部の企業にとって、それがなければ考えられなかったような優れた仕事のアプローチを提示した。また、労働者に対して、彼らが思っているほど従来の9時~5時のオフィス勤務に縛られていないことも示した。両者にとって、もう後戻りはできないのだ。

 ただし、ハイブリッドワークとリモートワークが終着点ではない。リモートワークを実現した企業の新しいケイパビリティは、新たな可能性を切り開いた。リーダーはいまこそ、雇用モデルに関するそれ以外の変化がいかに機能するかを評価すべきだ。

 なかでも検討する価値があるのが、「フレキシブルタレント」と「オープンタレント」の雇用モデルだ。フレキシブルタレントとオープンタレントは幅広い状況を内包する言葉である。会社に常駐する地元のフリーランサーから、グローバルに分散するオンラインのコントラクター(業務請負人)、トーナメントやコンテストを通じたイノベーションソーシングまで、さまざまだ。

 その定義的特徴は、プロジェクトベースあるいは臨時の仕事に、会社には所属しない労働者が配置されることだ。このようなモデルがうまくいけば、企業は優秀な人材にアクセスしやすくなると同時に、多くの労働者が切望している働き方の柔軟性を提供することもできる。

 新型コロナウイルスの感染拡大前にリモートワークの導入を進めようとした時と同じように、企業はこれらのモデルの導入に手間取っている。

 筆者らは、大規模なワークマーケットプレイスであるアップワークのチーフエコノミストとして、また10年以上にわたりオープンタレントを研究してきた学者として、パンデミック前の数年間、企業によるオープンタレントの活用が徐々に拡大する状況を追跡調査してきた。しかし、リモートワークが常態化したいま、そこに急激な変化が起きている。

 オープンタレントがもたらす新たな可能性を企業が理解し、活用するために、フレキシブルタレントとオープンタレントの動向を紹介し、このモデルに最も適する仕事やタスクについて解説する。また、マネジャーがこのモデルを採用する時の注意点を概説したい。