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部下や同僚から突然声をかけられ、仕事の手を止めて対応しなければならないことはよくある。この時、仕事をじゃまされた本人には、どのような感情が芽生えるのだろうか。筆者らの研究から、常に不快感を与えるわけではなく、むしろ歓迎される場合もあることがわかった。本稿では、割り込みを肯定的に受け取ってもらうための6つの戦略を紹介する。


 仕事を中断させられることは、非常にいら立たしく、迷惑で、ストレスが多い。しかし、本当にそうなのだろうか。

 職場で仕事を中断させられる行動には不可欠なものが多く、業務に必要な情報やリアルタイムのコラボレーションをもたらす。ただし、スラックやズームをはじめとする無数のコミュニケーションツールによって、連絡を取ることがますます簡単になり、仕事の中断がいっそう頻繁に(そして不可避に)起きている。

 しかし幸いにも、最近の研究から、仕事の中断は必ずしも不快な経験ではないことが示唆されている。

 筆者は、マサチューセッツ大学ローウェル校マニングスクール・オブ・ビジネスに在籍する研究者のデイビッド・グリーンウェイと共同で調査を行い、フルタイムの出社勤務を行うナレッジワーカー35人に、勤務時間中に仕事が中断されるたびに記録をつけてもらった(データはすべてパンデミック前に収集した)。

 そしてログ分析とインデプスインタビューを行った結果、参加者が肯定的な行為として捉えた中断の割合は、否定的に捉えたものと同程度であることがわかった。参加者が報告した251件の中断のうち、31%が肯定的、34%が否定的、35%が中立的なものだった。また、参加者の80%が1日のうち少なくとも1回は肯定的な仕事の中断を、86%が否定的な中断を経験していた。

 なぜ、じゃまをされて気分がよいと感じるのだろうか。筆者らの調査で肯定的な中断があったと答えた参加者は、それが幸福感や興奮、満足感などの感情を呼び起こしたと語った。

 たとえば、あるHRの専門家は、プロジェクト計画の作成中だったにもかかわらず、同僚からマーケティング資料の見直しを行ってほしいと言われ、仕事を中断した出来事を歓迎していた。

「それは喜ばしい中断でした。すぐに終わらせたいと思っていた別のプロジェクトに関連していたからです。(中略)プロジェクト計画の作業は中断させられましたが(中略)肯定的に捉えました。(マーケティングプロジェクトが)前進していることが嬉しかったのです。(中略)その時は緊急性がないプロジェクト計画を仕上げるよりも、それをやることのほうが重要でした」

 同様に、ある株式トレーダーは、ニュースをチェックしている最中だったが、新入社員がその日の市場が開く前に声をかけてきたことが嬉しかったと述べた。

「取引時間中はじゃまされるのを好ましく思いませんが、市場が開く前は(チェックインに)うってつけの時間です。(中略)彼は前日にやったこと、経験したことを話し、『今日は何に取り組むべきですか』と私に尋ねてきました。(中略)気分がとても高揚しました。(中略)私が直属の部下を雇える機会は多くなく、彼は私が初めて支持し、採用すべきだと主張した人材だったので、彼がうまくやっていることが嬉しかったのです。(中略)彼に指導することは長い目で見て有益であり(中略)ポジティブな出来事でした」

 明確に言えるのは、仕事の中断をどう受け止めるかは、それが仕事にどのような影響を与えるかによって大きく変わるということだ。

 予期せぬタスクに対応するためにギアを入れ替えたり、スケジュールを変更したりすることはいら立つが、作業の中断が時間の有効活用になっているならば肯定的に感じられる。その中断は、価値ある仕事を進めるうえで役立つのか。その新しいタスクは、それまでやっていたことよりも重要だろうか。

 また、割り込んできた仕事が1日の中で簡単にこなせるものであれば、肯定的に感じられる。その仕事に対処するうえで、いまは都合がよいか。その仕事を追加でこなす十分な空き時間はあるか。その作業に時間を費やす心の準備ができていたか。

 これらの要素を考慮することで、あなたが割り込む方法、タイミング、相手について最適解を導くことができる。自分の割り込みを肯定的に受け止めてもらえるように、具体的な戦略を紹介しよう。