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目標に向かって突き進む時は、エネルギーに満ちてポジティブな状態にある「パフォーマンスゾーン」にいるのが最善だ。そして、目標を達成したら「リニューアルゾーン」で充電を行い、再び次の目標に向かう。両者の間を定期的かつ意識的に往復することが、高いパフォーマンスとウェルビーイングを持続するカギだと筆者は指摘する。しかし、エネルギーがあってもネガティブな状態になれば「サバイバルゾーン」に、さらにエネルギー自体が枯渇すると「バーンアウトゾーン」に陥ってしまう。本稿では、サバイバルゾーンとバーンアウトゾーンの罠を回避し、自分のエネルギーを上手に管理するための6つの基本行動を紹介する。


 筆者のクライアントであるCEOが最近、次のような告白をした。「仕事中、何かあるとすぐに感情を乱され、イライラして、落ち着きをなくしてしまいます。その日の仕事が終わると、ぐったりと疲れ切っていることがほとんどです。しかも、チーム全体が私と同じような状態です」

 このような嘆きを、クライアントから何度も耳にするようになった。その回数は、かつてない勢いで増加している。

 筆者らは、エネルギーを上手に管理する方法を研究する中、1日の中でエネルギーの感じ方は4通りあることを特定した。我々は「活力の4象限」と呼んでいる。すなわち、「パフォーマンス」(活動)、「サバイバル」(生存)、「バーンアウト」(燃え尽き)、そして「リニューアル」(再生)という4つのゾーンに分けられる。

・パフォーマンスゾーン:エネルギーに満ちた、ポジティブな状態を指す。特定の目標に向かって仕事をしている時の望ましい状態だ。このゾーンにいる人は、明るい気分で、物事に積極的に関わり、やりがいを感じ、楽観的である。

・サバイバルゾーン:エネルギーに満ちているが、ネガティブな状態を指す。私たちは脅威を抱いたり、価値を貶められたと感じたりすると、神経系を制御する領域が前頭前皮質から交感神経系に移行するため、闘争・逃走モードに入る。このゾーンにいる人には、不安感、忍耐力の欠如、いら立ち、恐怖心、自己批判が見られる。

・バーンアウトゾーン:エネルギーが枯渇した、ネガティブな状態を指す。このゾーンにいる人は、無力感、空虚感、疲労感を覚える。

・リニューアルゾーン:エネルギーが枯渇しているが、ポジティブな状態を指す。充電することでパフォーマンスゾーンに戻ることができる。このゾーンにいる人は、落ち着き、穏やかで、尖りがなく、心の安寧を感じる。高いパフォーマンスとウェルビーイングを持続するカギは、パフォーマンスゾーンとリニューアルゾーンの間を、定期的かつ意識的に往復することだ。

 私たちの多くがいま、ほとんどの時間をサバイバルゾーンやバーンアウトゾーンで過ごしているとしても、まったく不思議ではない。コロナ禍によって、喪失感を抱き、不安や孤独に囚われ、先の見えない状態が2年近くも続いている。さらにオミクロン変異体の急拡大により、不安や不安定さは新たなレベルに達している。

 加えて、気候変動や所得格差、現在も続く人種問題の清算、イデオロギーの二極化といった社会問題の影響がある。問題の所在は、はっきりしている。すなわち、私たちの許容量を超えるエネルギーが要求されていることだ。

 筆者らはクライアントに対して、自己調整(セルフレギュレーション)から始めるように助言している。自己調整とは、どのような問題に直面しても、自分の感情を冷静かつ上手に受け入れる能力だ。

 筆者らは、この能力を体系的に培う方法を見出した。以下に紹介する6つの基本行動が、サバイバルゾーンとバーンアウトゾーンに陥らないための最善の方法だと考えている。