Illustration by Simoul Alva

組織がマネジメントを機械に代替することで、従業員の管理統制がますます強化されるという指摘をよく耳にする。そのような会社は存在するかもしれないが、従業員の自律性を高めるためにテクノロジーを活用する企業もある。本稿では、模範企業の実例をもとに、自律分散型組織を構築する方法を紹介する。


「あなたは職場で監視されている」「AIはここにも、あそこにも、至る所に」「アルゴリズムによるマネジメントの問題はどこにあるのか」

 機械主導のマネジメントにより、人間の判断や創意工夫、主導権がますます損なわれる未来――。このようなSF的なイメージを想起させる見出しに、私たちはもう慣れている。職場のテクノロジーに関する最も支配的な語り口は、機械が人間の判断を代替し、結果的に仕事はよりテクノクラティック(技術官僚主義的)で統制的になっている、というものだ。

 しかし、この点で語るべきもう一つの重要なストーリーがある。従業員の自律性を「高める」ためにテクノロジーを使い、それによってリーダーの戦略的判断の余地を「増やしている」組織について、である。

 経営陣ではなく従業員を中心とする組織をつくる取り組みにおいて、むしろテクノロジーは中核を担う。組織構造について研究する筆者らは、その実例を目にしている。現場社員の意欲、創意工夫、判断を中心に据える形で、自社の組織構造とルーチンと慣行をうまく再設計した企業は、その大部分をテクノロジーのおかげで達成できているのだ。

 より高度の自律性と水平協働を促進したい企業はすべて、これらの模範企業から重要な学びを得られるはずだ。