Juan Moyano/Stocksy

あなたの会社にも、会議でよく使われる言葉があるのではないか。しかし、それが特別意識せずに使われている言い回しだとしても、参加者に強烈なメッセージを送ることになる。本稿では、職場のあり方を再考するために、会議で使うべきではない5つのフレーズを紹介する。


 1時間の会議で50分が経過した。最後の議題もまとまったので、予定より早く終了するはずだ。他の人はこの展開を喜ぶかもしれないが、私は次に来る例の言葉に身構える。「あなたの人生の10分間をお返します!」

 数分の余裕を持って終わる会議では、この陽気な宣言と似たような言葉がつきものだ。思いがけない時間のプレゼントを知らせるかのように。

 しかし、言葉は生成的なものであり、会議をどのように表現するかが、その会議の「中身」を定義する。浮いたわずかな時間を、まるで不当に奪ったものかのように「返す」機会だととらえれば、協働が損なわれる。知らずしらずのうちに、組織の集まりがチームの成果に「貢献する」ものではなく、チームメンバーから「奪い取る」ものだという強いメッセージを送っているのだ。

 コントロールできないことが多い時代にあっても、自分が発する言葉のパターンをコントロールすることはできる。だからこそ、リーダーや従業員が会議を含めた職場のあり方を再考中のいま、「会議で使う言葉」の辞書からいくつかの言い回しを追放する好機かもしれない。

 筆者はソーシャルメディア上と同僚から、二度と聞きたくない言い回しを募った。最も共感を集めた回答を紹介しよう。

 ●「全員がそろうまで5分待ちます」

 オンライン会議のホストが最初に口にすることが多いこの言葉は、定刻に参加した人の時間を無駄にする行為であり、会議で時間厳守の文化を確立することにもならない。一方で、参加者がズーム会議(または対面会議)に遅刻するには正当な理由がある。遅刻した人を待つ数分間を有効に使うには、簡単な雰囲気づくりから始めるのも一つの手だ。

 筆者がよく行うのは、全員に気が散るものを1つ取り除いてもらうことだ。デスクの上のものをどけたり、部屋の窓を開けたり、PCのウィンドウを閉じたり、などだ。また、会議の意図や目的を全員に書き出してもらうのもよい。これは公に共有されるものではないが、会議が始まる前に自分の目的を考えることで、心構えができる。

 ●「ミュートになっていますよ」

 たしかにこの言葉は、発言者がミュート解除ボタンをクリックする必要があることを、すぐに伝えることができる。しかし、複数の人が一斉に口にすることが多く、相手を不快にさせる。言われたほうは、(リモートワークが普及して2年にもなるのに)いまだにマイクのアイコンがついたボタンの位置がわからないかのように、馬鹿にされた気分になる。

 筆者の同僚は、より穏やかで肯定的に、このように言う。「あなたが話しているのだとしたら、私にはあなたの声が聞こえません」。この言い方なら、音声が出ていない人を馬鹿にするのではなく、その人の話を聞きたいと思っているのだと示すことができる。