Juan Moyano/Stocksy

自分が望むキャリアに到達するためには、他人から与えられた仕事をこなすだけでなく、中長期の行動計画を立てて、みずから積極的に舵取りすることが欠かせない。本稿では、何千人ものエグゼクティブを支援してきた筆者の経験に基づき、キャリアチェンジを決断する前に自問すべき5つの質問を紹介する。


 キャリアスチュワードシップとは、パーパスを持ち、積極的に自分のキャリアを舵取りしていくことである。このコンセプトを携えて、筆者は共同創業したリーダーシップ開発会社のネクスト・ステップ・パートナーズとともに、過去20年にわたり何千人ものエグゼクティブを支援してきた。

 自分のキャリアをみずから舵取りしていくために、まずは一歩引いて振り返ることをお勧めしたい。以下の5つの質問(および関連するフォローアップの質問)に答えていくと、これから1年の計画と行動がわかるだろう。本稿は仕事を念頭に置いているが、これらの質問はプライベートでも活用できる。

 ●どれくらい充足しているか

 あなたはいまの仕事に、どれほどの意義やパーパスを見出しているだろうか。価値観とは自分にとって大切なもののことであり、充足感を高めるカギとなる。そこにはまた、あなたの人となりも表れる。たとえば、コラボレーションや影響力、公正さ、自律性、冒険心、認知、創造性、安全などに対する価値観がそうである。仕事に価値を見出せれば、満足度とパフォーマンスが向上する

 一般に、コアバリューは時間が経っても変化しないが、その相対的な重要度や表現方法は変化する。たとえば、ある同僚はかつて、経済的安定は自分にとって少しも重要ではないと言っていたが、子どもが生まれるとそれが最優先ともいえる価値観になった。

 同じように、冒険心は筆者が重視する価値の一つであり、10代の頃はロッククライミングや懸垂下降を通して、この価値観を表現していた。しかし、中年となったいまは、海外旅行やグローバル企業の経営を通して満たしている。

 優先する価値観をはっきりさせたら、それぞれについて「いまの仕事でこの価値観をどの程度実現できるかを1から10の尺度(10が理想)で評価」しよう。たとえば、創造性という価値観についての評価が7であれば、「なぜ7なのか」「8や9にするために何が必要か」を考えよう。それを機に、その価値観を仕事でより明確に実現する方法や、現在の組織や別の組織で担いたいと思うプロジェクトや任務について、マネジャーと話し合えるかもしれない。

 ●どれほど学び、成長しているか

 学習はそれ自体、直接的に達成感をもたらすものだ。

 あなたはどの程度、自分の部門や職務で能力や専門性を磨けているだろうか。仕事を人に教える必要に迫られた時になって初めて、自分の習熟度に気づくことがよくある。あなたは昨年、どのような知識、スキル、特性を身に付けただろうか。行政の契約プロセスに詳しくなったのか、プレゼンテーションのスキルが向上したのか、あるいは忍耐強くなったのかもしれない。

 これからの1年、あなたはどのような能力を身に付けたいだろうか。時間、労力、(組織あるいは個人の)お金を使って、どのような投資をしていくのか。学習はさまざまな形をとりうるだろう。たとえば会議に出席する、講座を履修する、読書する、他人を観察する、メンターと会う、少し背伸びしてストレッチアサインメントを引き受ける、新たな気構えや行動を試す、いまの課題とこれまでの進歩を確かめるといったことも学習に含まれる。

 さて、あなたは自分が望む学習と成長のために、これからの1年で何を行動に移すだろうか。