Illustration by Joi Fulton

新型コロナウイルスの感染拡大が終息する気配は見えず、2020年に続き、2021年も人々は感染症に翻弄されることになった。1年を通してニューノーマルを経験した中で、私たちは何を学んだのか。本稿では、『ハーバード・ビジネス・レビュー』(HBR)の読者から寄せられたコメント、そしてコロナ禍の1年でよく読まれた記事を参照しながら、そこから得られた教訓を紹介する。


『ハーバード・ビジネス・レビュー』(HBR)の読者に対して、2021年に何を学んだかを尋ねたところ、「ニューノーマル」の1年だったことがあらためて浮き彫りになった。

 読者から寄せられたコメントの多くは、リモートワークの新しい方法を発見した、喪失感に直面してもレジリエンスを高めた、仕事に新たなパーパスを見出したなど、2020年と同じような内容だった。しかし、世界的な新型コロナウイルス危機から抜け出せないままの2021年は、これらの教訓がより深く、恒久的なものになった。

 以下、読者からのコメントの一部を抜粋して紹介する。

 ●自分自身を大切にすることの重要性を学んだ

「『人を失望させる』ことになっても、仕事で『ノー』と言ってかまわないのだと、ようやく学びました。健康とウェルビーイングは保証されていません。結局、すでに空っぽのコップからさらに水を飲もうとする人に、私は失望させられているのです」
──リンゼイ・ボアン(ニューヨーク市、米国)

 2年間のロックダウンとさまざまな制限を経験して、読者が共有した教訓には、自分を大切にするという共通のテーマがある。

 同じように「散歩はなぜ、私たちの思考力や創造力を高めるのか」という論考は、HBRで2021年に最も読まれた記事のトップ10に入っている。燃え尽き症候群を克服しようとする時も、喜びを見つけようとしている時も、自分を大切にしなければならないという現実が明快に響いている。そのためには、リンゼイが学んだように「ノー」と言わなければならないとしても、だ。

 ●同僚と直接会うことの大切さを学んだ

「同僚とオフィスで会話することの価値を学びました。オフィスでの会話は戦略的な意思決定のための点と点を結ぶ力強い手助けとなり、オンラインの構造化されたミーティングで同じことをしようとしても、本当に難しいのです。職場の健全な人間関係の維持にも役立っています」
──アンブロシオ・ヨバノロ・デル・レアル(サンティアゴ、チリ)

 2021年は働き方が注目のテーマだった。年間で最も読まれた記事は、ニコラス・ブルームの「在宅勤務日を従業員に選ばせず、マネジャーが指定すべき理由」だ。

 自宅やオフィスなど、さまざまな場所での働き方については、HBRの「ビッグ・アイデア」シリーズとして収録された“Rethinking Back to Work[編注]もお勧めしたい。この連載でパデュー大学クラナート・スクール・オブ・マネジメント教授のエレン・アーンスト・コセックらは、オフィス再開時に雇用者と従業員のニーズのバランスを取る方法を探っている。

 連載には、ハーバード・ビジネス・スクール教授のセダール・ニーリーによる“12 Questions About Hybrid Work, Answeredや、ハーバード・ビジネス・スクール助教授のアシュレー・ウィランズと4デイ・ウィーク・グローバルCEOのシャーロット・ロックハートによる“A Guide to Implementing the 4-Day Workweek”なども掲載されている。