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リーダーがよい聞き手であることの重要性が、かつてないほど高まっている。にもかかわらず、聞くスキルを学ぶ機会はほとんど用意されていない。聞き上手に変わるためには、どうすればよいのか。本稿では、アクティブリスニングを実践する9つのヒントと、さらに上達させるための7つのサブスキルを紹介する。


 リーダーにとって、よい聞き手であることがかつてないほど重要で、かつ困難になっている。

 転職者が急増し、リモートワークでは対面の会話のように非言語的手がかりを得ることができない。雇用主が従業員の懸念に耳を傾け、思慮深く対応することができなければ、多くの離職者が出ることになる。そして離職率が最も高いのは、顧客やプロジェクトを持ち出すことのできるトップパフォーマーや、顧客体験を担う第一線の従業員であることを考えると、そのリスクは明らかだ。

 聞くことは誰もが褒めたたえるスキルだが、セラピスト向けのトレーニング以外で明示的に教えられることはほぼない。2015年の調査では、認証を取得した学士課程のビジネススクールのうち、「プレゼンテーション」を学習目標に挙げているのは78%に上る一方、「傾聴」はわずか11%だった。

 聞くというスキルは、誰かに教わるだけではなくコーチング、つまり自分の長所、短所、そして最も重要な習慣を把握している人から継続的かつ専門的な指導を受けることで身につけることができる。平衡感覚について書かれた記事を読んだからといって体操選手のシモーヌ・バイルスになれないのと同じで、本稿を読んだだけで聞き上手になれるわけではない。

 筆者らの目的は、よい聞き方に関する理解を深め、聞くスキルを向上させるために、研究に裏付けられたアドバイスを提供することだ。

よい聞き手になる

 会話の参加者には2つの目的がある。1つは、相手が伝えようとしていること(表立った意味とその背後にある感情の両方)を理解すること、もう1つは、相手に興味、関心、思いやりを伝えることだ。2つ目の目的は「ただ」親切にするためではなく、それだけで十分な理由になる。人は自分の話を聞いてもらえていると感じなければ、情報の共有をやめてしまうのだ。

 これが「アクティブリスニング」だ。それには3つの側面がある。

・認知:相手から受け取っている明示的、暗黙的な情報すべてに注意を払い、その情報を理解し、統合する。
・感情:会話の間、冷静で思いやりのある態度を保ち、自分が経験する可能性のある感情的な反応(いら立ち、退屈)をコントロールする。
・行動:興味と理解を言語あるいは非言語で表現する。

 アクティブリスニングを上達させるには、生涯にわたる努力が必要だ。しかし、少し向上するだけでもリスニングの効果は大きく変わる。以下は、9つの役立つヒントからなる「チートシート」だ。