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新規参入する市場を見極める際、最も安全なやり方は、自社の商品・サービスに対する需要が明確になっている地域を選ぶことだ。ただし、目に見える需要が存在するということは、すでに競争が激化している可能性が高い。本稿では、先行き不透明な状況で需要を掘り起こし、競争を回避しながらポジションを確立するための3つの戦略を提示する。


 新規参入する市場を決める際の安全策は、自社の商品やサービスに対して、すでに目に見える需要が存在する地域に焦点を絞ることだ。

 たとえばヒュンダイ(現代自動車)は、中国の自動車産業が年20%の成長を遂げるようになって初めて中国に参入した。アマゾン・ドットコムは、インドのeコマースセクターが年35%の成長を見せるようになるまでインド進出を待った。そしてウーバー・テクノロジーズがインドネシアでバイクタクシーの配車サービスをローンチしたのは、同国生まれのゴジェックやグラブといった競合他社による類似サービスが人気を獲得し、成功を収めた後だった。

 この戦略は明らかに効果を発揮しうるが、欠点もある。市場の潜在力が誰の目にも明らかになれば、激しい競争は避けられない。このため、異なるグローバル展開のアプローチを取る企業もある。

 筆者らは、多国籍企業のリーダーたちを対象とした100以上のインタビューを通して、多くの企業が強力な既存需要のある市場に注力する一方、明確な需要がほとんどない新規市場でも、実は商品やサービスをうまくローンチできることを見出した。これを適切に実行すれば、競争を回避し、早期に強固なマーケットポジションを確立する極めて効率的なアプローチとなりうる。

 具体的に、筆者らは以下の3つの戦略を特定した。