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コロナ禍を機に、米国では離職率が記録的な高さにまで押し上げられている。しかし、自分の理想を求めて転職したはずの新たな環境で、「もう辞めたい」という声が続出している。新規雇用者の30%が入社から90日以内に辞めていくというデータがあるのだ。だが、退職願を提出する前に、自分がなぜ不満を感じているかを熟考することが欠かせない。本稿では、早々に見切りをつけ、転職活動を再開すると決断する前に踏むべき5つのステップを紹介する。


 新型コロナウイルス感染症のパンデミックが後半戦に突入すると、米国では記録的な数の人々が仕事を辞め、離職率は歴史的なレベルにまで押し上げられた。

 健康上の不安や家族のケアをする必要性から仕事を辞めた人もいれば、コロナ不況のために失職した人もいる。なかには、自分のキャリアや仕事を通じて何を実現したいかを考え直して、退職した人もいる。

 雇用が歴史的低水準にある中、多くの求職者は、転職活動でジョブオファーを受けることに関して、自分自身が主導権を握るチャンスがあると気づきつつある。そのような経験をするのは、人生で初めてのことかもしれない。

 あなたも同じような状況にいるかもしれない。しかし、新しい仕事が期待していたものとはまったく違っていたら、どうだろうか。あと1カ月ですら我慢できないと思っている可能性もある。自分はそれほどひどい状況に置かれていると考えてはいないだろうか。

 そのように感じているのは、あなただけではない。採用支援プラットフォームのジョブバイトの調査によれば、新規雇用者の30%が入社90日以内に辞めていくという。その理由は「自分に与えられた役割が期待とは違っていた」(43%)や「ある出来事をきっかけに辞めたいと思うようになった」(34%)、そして「企業文化が合わない」(32%)というものだ。

 しかし、退職願を提出する前に、なぜ自分はそこまで不満を感じているのか、よく考えることが重要だ。新たな行動を起こすと決める前に、以下で紹介するいくつかのステップを踏むのがよいだろう。

 ●新しい仕事に落胆している理由を熟考する

 自分がなぜそこまで落胆しているのか。その理由を熟考する時間を持つことで、同じ間違いを繰り返すのを避けることができる。

 いまの会社からオファーを受けた時に、その新しい仕事に関して約束されたことのリスト化から始めよう。この中で実現していない項目には「*」印をつけ、是正できそうな項目にはハイライトを引こう。

 たとえば、夜間は大学院に通うことができるよう定時で退社できると言われていたのに、それができていないとすれば、「出社時間を早めるので、夕方5時きっかりに退社させほしい」と提案すれば、状況は改善できるかもしれない。

 採用時の約束と現実との間に不一がある場合、まず是正できる部分から解決することを最優先にする。

 ●前を見る努力をして、もう少し様子を見る

 別の会社に転職して、再び新たなスタートを切る機会が得られることを楽しみにしているかもしれない。しかし、やがては現実を突きつけられる。まるで永遠の親友かのように感じていた同僚がいなくなり、親身になって相談に乗ってくれたり、支援してくれたりするアライを新たに見つけなければいけないことに、突如として気づくのだ。

 かつての同僚が自分のそばにいないことを寂しがったり、以前の会社で参加していた懇親会がとても楽しかったと思い出したりするのはかまわない。しかし、前を見る努力をすることも必要だ。

 もし新しい役割を自分のものにして、成功を遂げることができたなら、どのような未来が待っているかを想像してみよう。数カ月経ってもまだ、この転職は間違いだったと感じるなら、その時になって軌道修正を計っても遅くはないだろう。