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リーダーには、優れた知恵で厳格な決断を下すことと、思いやりのある善良な人間でいることの両方が求められる。これらは両立困難だと思われているが、実際には相反するわけでなく、自分の中に共存させることは可能だ。本稿では、知恵と思いやりを兼ね備えた人間味あるリーダーに変わるための4つの方法を紹介する。


 数年前、インカ・グループ/イケアのジェスパー・ブローディンCEOは、中国イケアの経営を引き継いでほしいと頼まれた。この事業を成功させ、持続可能なものにするには、抜本的な変化が必要だった。中国国内のオフィスをいくつか閉鎖し、大勢の従業員の新たな職探しをサポートする必要があったのだ。

 そして、このような困難なリストラ事業を引き受けるにあたり、ブローディンは大切な質問を自分自身に問い掛けた。「私には、これを実行する勇気とスタミナがあるだろうか」

 リーダーとして、善良な人間でありながら、リーダーシップの責任に伴う困難な事柄をどう実行すべきだろうか。これは、すべてのリーダーにとって永遠の難題である。

 私たちはつい、二者択一を迫られていると考える。善良な人間か厳格で有能なリーダーか、どちらか一方を選ぶという厳しい選択である。しかし、これは誤った二分法だ。人間味があることと、リーダーとして厳しい決断を下すことが相反するわけではない。実際には、困難な施策を実行することこそ、最も人間味のある行為であることが多い。

 その際、カギを握る2つの大事な要素がある。知恵と思いやり(コンパッション)だ。