職場復帰に向けて準備する方法

 幸いなことに、こうした感情はすべて自然なことであり、確実に対処することができる。

 国際的な産後支援組織ポストパータム・サポート・インターナショナルの創設者であるアン・スミスは、次のように指摘する。「PPDは出産に伴う合併症の第1位であり、最もよく見られる症状です。女性の14%がPPDを患いますが、これは治療が可能です。心理療法、薬物療法、ピアサポートの3つのアプローチによって、対処できます」

 個人差の激しいPPDの問題に対して、確実あるいは万能なアプローチはないが、以下に紹介する方法は、初めて子どもを持った働く親が自信を感じる助けとなり、たとえいまは困難を感じていても、それはいずれ過ぎ去っていくものだという気づきを与えてくれる。

 ●周囲の力を借り、それを補完するサポートを得る

 愛情と経験豊富な友人、家族、ケアギバーの存在は、出産直後の数週間だけでなく、育児休暇中を通じて欠かせない存在だ。

 母親向けのサービスは常に進化している。常時対応してくれる専門家(セラピスト、母乳育児を支援するラクテーション・コンサルタント、ペアレントコーチングなど)のほか、ピアグループや優れたオンラインサポートもある。その多くは、女性と女性自身の経験(良いことも悪いことも)から生まれたものだ。

 また、バーチャルや実践的な機会を積極的に利用し、自信とスキルを身につけることもできるだろう。自分の新たな役割を理解し、ベストプラクティスを学び、そして何よりも、初めての親として子育てとは何かを知るのに、これ以上の方法はない。

 それは抱っこの仕方やお風呂の入れ方といったスキルを身につけるだけでなく、自分自身に目を向け、自分に優しくするための助けにもなる。経験者はそのことをわかっていて、あなたが赤子を育てるように、あなた自身を育ててくれるはずだ。

 ●自分らしさを大切にする

「生まれたての赤ん坊を育てるのが苦手な女性もいます」と、スミスはいう。一方で、母親業を新たな使命と感じ、育児休暇中に自分のキャリアを考え直す人もいる。さらには、子どもが小学生になるまで、親としての本領を発揮できない人もいる。

 このような経験は、どれも自然なことだ。産後ケアサービスを提供するメジャーケアの創業者兼CEOであり、ドゥーラ(出産に関する助言や支援を行う女性)でもあるマンディ・メイジャーは、自身の賢明な見解を次のように語ってくれた。

「私たちは文化的に、子どもを産んだ瞬間に、生まれ持った母性遺伝子が活性化するという期待を抱いているのだと思います。それによって、魔法のように子育ての仕方を理解し、育児のあらゆる段階を楽しめるのだ、と。それはまったくの事実無根であり、かなりの自信喪失と自己嫌悪の要因になりかねません。誰もが皆、実際に子育てをしながら学んでいくのであり、母親になるという道のりは、それぞれの性格、志向、生活環境、支援システムによってさまざまなのです」

 他人の期待に応えようとするのではなく、自分の長所も短所もひっくるめて、自分自身を誇りに思えるように努力する。そうすれば子どもが生まれたばかりの親、特に初めての子どもを持った親でも、より健全な道のりを歩んでいくことができる。