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地球環境の持続可能性を高めるうえで再生可能エネルギーの活用が注目を浴び、なかでも太陽光発電を取り巻く状況は「快晴」といえる。イノベーションによって導入コストが低下し、政府の税制優遇措置も相まって、太陽光パネルの設置数は急増して、発電容量も順調に伸びている。ただし、前向きなニュースばかりではない。現状の問題点に目を向けなければ、近い将来、廃棄された太陽光パネルであふれ返る可能性がある。本稿では、サーキュラーエコノミー(循環経済)への移行を実現するうえで、私たちが目を背けることのできない、太陽光発電の課題を明らかにする。


 太陽光発電を取り巻く状況は、見事な快晴と言ってよいだろう。米国における一般家庭の太陽光パネル設置は、新型コロナウイルスの感染拡大により一時減少したが、すでに以前の水準に回復している。

 業界アナリストによれば、米国の家庭に設置されている太陽光パネルの総設備容量は19ギガワットを超すと予測されている。この数値は、2019年末の時点では13ギガワットだった。

 業界の調査によると、今後10年間で太陽光の総設備容量はさらに4倍に増える可能性があるという。この予測には、環境保護に熱心なバイデン政権が、新しい規制や優遇措置を導入した場合の影響は反映されていない。

 米国で太陽光パネルがパンデミックの打撃を受けずに売上げを伸ばしている大きな要因は、「太陽光発電投資税額控除」の制度にある。この制度の下、すべての居住用不動産と事業用施設を対象に、太陽光発電関連支出の26%が税額控除の対象となる(2006~19年は30%だった)。

 2023年以降は、控除の規模が段階的に引き下げられ、事業用施設では10%となり、居住用不動産で完全に廃止されることが決まっている。この点を考えると、太陽光発電設備の売上げは今後さらに拡大するだろう。税制優遇措置がある間に購入しようという心理が働くと予想できるからだ。

 太陽光発電の普及が一挙に進んでいる理由は、税制優遇措置だけではない。この10年間、太陽光パネルの発電効率は1年当たり0.5%のペースで改善してきた。さらに、その一方で、市場で大きなシェアを握る中国メーカーが主として牽引する形で、数度にわたりイノベーションが大きく前進したことで、生産コストとパネルの価格は大幅に下落した。つまり、発電量当たりの導入コストが大幅に下落しているのだ。

 このような動向は、太陽光パネル業界にとって、そして地球の未来のために化石燃料から再生可能エネルギーへの転換を推進すべきだと考えるすべての人にとって、朗報と言える。しかし、ほとんど話題に上らない重大な懸念材料がある。