●多才な人間になる

 他者と共通の話題を持つためには、自分自身が興味や趣味を持つことが必要だ。あなたも、いつも学びたいと思っていることが何かないだろうか。

 新しいスキルを、自宅にいながらにして、世界中の人々から教わる機会はいくらでもある。たとえば、オンライン学習システム「マスタークラス」を利用して著名なマスターソムリエとのワインテイスティングを家で楽しんだり、ティックトックで編み物を学んだり、バーチャルのブッククラブで本好きな人たちとつながったりすることもできる。

 せわしない日々の生活に追われて、途中で挫折した趣味はないだろうか。仕事や家事、育児で多忙を極めている時に、趣味の時間を見つけるのは難しいものだ。毎週、カレンダーをブロックしておき、新しいスキルの習得や趣味のための時間を確保するのがよいかもしれない。

 すべてにおいて達人になる必要はない。ほんの少しずつであっても、さまざまな事柄を経験して素養を身につけておけば、他者との共通点を引き出せる材料となり、相手と会った時につながりを築くことができる。

 ●自分を偽らない

 CIAの諜報員が「嘘の」共通の趣味で、相手とつながろうとして失敗することが多いように、あなたも本当の自分で接しなければ、信頼を築くことはできない。

 自分が本当に興味のある共通の話題を探そう。相手との接点が見つからない場合には、その人が興味を持っていることについて、もっと知ろうとするのも手だ。ただし、それも自分が実際に知りたいと思っていることに限る。

 たとえば、新しく加わった同僚がワインに詳しい場合、慌ててワインに関する本を買ったり、講座に申し込んだりして、自分もそれなりに詳しい振りをしようとするのではなく、もっと知りたいという気持ちを相手に伝えてみる。自分が生徒役、相手が先生役になるという、より純粋な方法で信頼関係を築くことができるのだ。

 ●相手の話を聞く

 誰かとラポールを築こうとする時には、人は概して、自分自身のことや自分が興味のあることを話したがるものだと覚えておこう。もちろん、自分のことを話しても構わない。前述したように、それは共通のつながりを見つけるためには必要だが、会話が続くように、また相手がもっと話したくなるように配慮しながら話をする。

 自分がもともと話好きで、注目されるのが好きなタイプだという自覚があるならば、相手にマイクを譲ることも忘れてはならない。似たような話をすることで絆が生まれる場合もあるが、聞き役に徹することのほうが大事な場合もある。

 たとえば、誰かが夢中になって、最近旅行に出掛けた話をしている。あなたはそこへ何度も行ったことがある。そうした場合、割り込んで自分が行った時の話をしたい衝動に駆られたとしても、それは抑えることだ。

「行ったことがあるか」と聞かれた時は事実を答えるが、その後は礼儀として、ボールを相手のコートに返す。つまり、旅行で一番よかったのは何か、どこに泊まったのか、また行く予定があるかといった質問を返すのだ。相手の答え次第では、共通の経験をもとに、つながりを深める方法が見つかるかもしれない。