厳格に支配するリーダー

 厳しく管理された環境をつくり出すリーダーもいる。すべてのものを、すべての人を、決められた方法で動かす人だ。

 そのようなリーダーは、斬新な意見や従来と異なる意見をなかなか受け入れることができない。従業員は声を挙げなくなり、リーダーからの厳しい批判を避けようと、リスクの少ない、ほんの少しずつ前進するような戦略を取る。

 そして、クリエイティブなアイデアを出すことを躊躇する。いざ実行に移そうとすると、怯えている組織は新しいことに挑戦するのをためらい、変化が不可能ではないとしても、そのスピードは格段に遅くなる。

 サラ(デイビッドのクライアント)は、支配的なリーダーの特徴をすべて備えていた。会議は緻密に計画され、彼女のスケジュールは厳密に調整されて、慎重に選んだ相手と交流していた。

 しかし、気がつくと、クリエイティブな議論から除外されていた。権限を超えて探求できるリーダーかどうか、周囲から疑われていたのだ。これほど強いコントロールを維持することは、彼女を(そして彼女をサポートするすべての人を)疲弊させ、ついには彼女の健康を害した。

 長い闘病生活から仕事に復帰したサラは、自分の不在中に直属の部下たちが活躍していたことを知った。そこで、自分がコントロールできる部分を見直し、よりよい時間の使い方を模索するようになった。

 過剰にコントロールしたがる傾向は、たとえば次のような方法で和らげることができる。

・透明性を高める:仕事のパフォーマンスや活動の進捗について、より多くの情報や洞察を共有する。これを通じて信頼が生まれ、時間とともに参加する人々が増えて、他人の動機に対する不確実性や不安感を軽減できる。

・計算されたリスクを取る:機密性や重要度の低い状況を選んで、責任を共有し、自分以外の人々に権限を持たせるための新しい方法を試してみる。

・信頼できる仲間とアイデアを試す:自分の考えやアイデアを、尊敬する人々に伝える方法を学ぶ。こうした対話がアイデアの質を高め、賛同者を増やすことを理解しながら、この輪をさらに広げる。

・自分が好奇心を嫌悪する理由を検証する:自分のキャリアや人生において、支配的な行動の理由になりそうな出来事を振り返る。その時に、自分は上司のやり方を真似したのだろうか。自分の実力を肯定できないように感じた時に、コントロールを振るうことで反応したのだろうか。好奇心を示した時に、厳しく非難されたのだろうか。このような経験が、最高のパフォーマンスを発揮しようとする際にどれだけ妨げになるか、自問してみよう。そして何よりも、自分が何を残したいのかを考える。