●関係を維持する

 何かのミスや思い違いをしていた場合であれ、単に限界を超えて仕事を引き受けてしまった場合であれ、謝罪して責任を取らなくてはならない。相手はあなたを頼りにして、あなたが参加するという前提で計画を進めてきたはずだ。

 たとえば、委員会の参加を辞退する場合、次のように伝えることができるだろう。「この件によって生じる、あらゆるご不便をお詫びします。この機会に私に声をかけてくれたことに感謝するとともに、心から成功をお祈りしています。すべてが順調に進んだという知らせを聞くのが、いまから楽しみです」

 感謝の意を表し、ポジティブな語調で締めくくることで、配慮と思いやりを示すことができる。

 ●代替案を提示する

 心から相手の助けになりたい場合には、別のスケジュールや新しい日程の再調整を提案する。次のように伝えて、今回は見送るが、次の機会には「イエス」と答える可能性を残すのだ。

「自分のスケジュールを見直した結果、今回は前言を翻して、お誘いを断らなくてはなりません。しかし、今後も私のことを心に留めていただけたらと思います。数カ月後、また連絡をいただけますか」

 相手が途方に暮れないよう、代替案を提示することもできる。支援してくれそうな同僚や請け負ってくれそうな人を紹介できるかもしれない。あるいはコミュニティやポッドキャスト、トレーニングの材料など、相手のニーズに合い、問題解決の一助となりそうなリソースを紹介するのもよい。

 ●学びの機会にする

 約束を取り消すのは、愉快なことでもなければ、心地よいことでもない。しかし、価値ある教訓をもたらすとともに、さらなる成功を目指す中で、誰にでもよい顔をしたがる傾向を克服するきっかけになるだろう。

 これを学びの機会として、自分が将来的に何を引き受け、何を引き受けないかの判断力を養うことが欠かせない。今後は、何か心が躍ることで、自分に余裕がある場合のみ、「イエス」と言うようにすることだ。

* * *

 どれほど思慮深い人でも、みずから交わした約束を撤回したり、考えを変えたりする必要が出てくるものだ。それを習慣にしてしまうのではなく、きめ細やかな配慮を持って状況に対処することで、可能な限り最善の結果を得られるだろう。


"How to Say "No" After Saying "Yes"," HBR.org, September 20, 2021.