●テクニック(5)自分自身のキャリアにも目を配る

 問題意識

 コロナ禍の期間中も長時間働いていたかもしれないが、それはキャリアを高めるというより、仕事を処理している感覚が強かったかもしれない。とにかく仕事を片づけて、部分部分を形にしていくという感じだ。

 自分の専門分野や職務、キャリアの成功に熱意を傾けている人にとっては、気が滅入る状況だっただろう。いまは「やることリスト」だけでなく、今後のキャリアにも注意を向ける時だ。

 方法

 毎週、短時間でかまわないので、自分のキャリアやプロフェッショナルとしての成功について、集中的に考える時間を設定する。15分あればよいだろう。

 自分と同じ業界で最も尊敬する人々のリンクトインのプロフィールを見て、そのキャリアパスを参考に、次のステップを考えることかもしれない。あるいは昔の同僚に再び連絡を取り、自分のネットワークを最新の状態にすることかもしれない。

 コロナ禍の間、チームと組織の目標を達成するために、あなたは懸命に働いてきた。今度は、そうした経験を自分自身がどう活かしたいかについて考える時だ。そのためには、少なくともある程度の時間を割くことが必要になる。

 ●テクニック(6)働く親のメンターになる

 問題意識

 自分の才能や経験、知識を他の人々と共有すると、自分が寛大で有能だという感覚をすぐに得ることができる。コロナ禍を経験したいま、そうした感覚は金メダル級の価値があるだろう。

 メンターになる自由な時間がなくても、ペイフォーワードの精神で、自分がこれまで受けた親切を還元することで、満足感や高揚感を得る方法があるはずだ。

 方法

 自分の子どもよりも少し下の子どもを持つ、働く母親や父親を見つけよう。パンデミックの間に子どもが生まれたチームメンバーがいるかもしれないし、入社したばかりのメンバーに母親や父親がいるかもしれない。あるいは小学生になったばかりの子どもがいるメンバーがいるかもしれない。

 時間枠を設定し、彼らに次のように申し出てみる。「これから数週間は忙しくなるが、20分でよければ、働く母親や父親としてこの会社で思いを成し遂げるためにはどうすればよいか、自分の経験を共有できる。いつでも声をかけてほしい」

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 本稿で紹介した6つのテクニックに目を通して、印象に残ったものが次のステップになるかもしれない。あるいは順番に試してみるのも手だ。効果がある場合もあれば、効果がない場合もあるだろう。うまくいかない時には、次を試してみる。どれを選ぶのであれ、あなたは重要かつ積極的な前進を果たしたことになる。

 働く親として最も困難な時期に、自分が再び人生の主導権を握り、どこへ向かっていくかをしっかりとコントロールできるのだ。あなたは熱意あふれるプロフェッショナルであり、愛情に満ちた親であり、そして自分らしく存在することを同時に実現する、新たな方法を発見しつつある。


"6 Strategies for Exhausted Working Parents," HBR.org, September 01, 2021.