●テクニック(1)成し遂げたことをリストにまとめる

 問題意識

 あなたが切実に求めている推進力を得るには、自分が成し遂げてきたことを振り返る必要がある。

 方法

 15分間かけて、2020年3月以降、あなたが仕事や家族のために成し遂げたことのリストを作成する。頭の中で考えるだけでも、実際に書き出すのでもよい。

 謙遜したり、自虐的になったりするかもしれないが、それらは排除する。たとえば、「ありえないほどネットフリックスを観まくり、炭水化物を食べまくった」というのは、事実かもしれないが、ここでは不要だ。

 サプライヤーの出荷が遅れているのにもかかわらず、チームの売上げを何とか維持できたなら、それを書き留めよう。いつも家族4人分の食事を用意しているなら、これまでに6120人分の食事をつくったことになる。まさに軍隊レベルだ。

 物事を大きく考える。仕事の目標や人間関係、子どもの成長に目を向けよう。履歴書のように、簡潔で整理されたリストである必要はない。誰かに見せるものではなく、自分のためであることを忘れないようにしよう。

「ズーム会議で上司が史上最高に煩わしかった時も、感情を抑えられなかったことは一度もない」「ロックダウン中も、子どもたちが寝る時は落ち着いた環境をつくった」が、自分にとって大きな成果だと感じるなら、それもリストに加える。

 つまり、この1年間にやり遂げたことや自分の頑張り、忍耐について、自分自身をきちんと評価して、誉めてあげるのだ。

 今後も大きな課題が生じて、それに対峙することになるのは間違いない。しかし、これまで成し遂げてきたことがいかに超人的だったかをしっかりと認識すれば、将来の課題にも立ち向かえる準備ができていると思えるはずだ。

 ●テクニック(2)過ごしてきた時期に区切りをつける

 問題意識

 人間の心は、物事が完了することを求める。Aを終わらせなければ、Bに集中して全力を尽くすことはできない。たとえば、仕事の区切りが四半期業績報告書に沿っているなら、「済んだことは済んだこと。もう終わったことだ。さあ、次に行こう」と、自分に言い聞かせることができる。

 ここでも、それと同じアプローチを取ろう。つまり、過去に区切りをつけるのだ。そうすれば、これから起きることに対処するスペースを自分の中につくることができる。

 方法

 コロナ禍の経験を段階に分けて、それぞれに名前をつけよう。真面目な名前でもよいし、ふざけた名前でもかまわない。シンプルなものでも、ユニークなものでもよい。たとえば、「こんなことになるなんて信じられない時期」や「不安な2020年夏」、「エンドレスなオンライン授業の2020-21年冬」といった名称もあるかもしれない。

 頭の中で思い浮かべたら、あるいは紙に書き出したら、現在の段階との間に大きく太線を引く。いまの新しい段階は「仕事探しの秋」かもしれないし、これからの数カ月は「出社を再開しつつ、初めて父親になった役割に慣れる時期」かもしれない。

 良くも悪くも、コロナ禍の時代は終わったのだ。もはや、その重荷を引きずり続けることはない。

 必要ならば、コロナ禍のそれぞれの時期につけた名前を紙に書き出し、その紙をビリビリに破って、ゴミ箱に捨てるのも手だ。あるいは、長距離をランニングしながら、「このワークアウトを終えたら、パンデミックの第3段階は正式に終了して、第4段階に入る」と、自分自身に言い聞かせることもできるだろう。

 効き目がありそうなことは何でも試してみる。重要なのは、まっさらな気持ちで新たな目標を定め、未来に軸足を動かすことだ。