独自のキャリアアクセラレーターを構築する方法

 プログラムを成功させるには、以下の3つのアクションが必要だ。真の変化を生み出さなければ、プログラムは長くは続かないことを心に留めておこう。

 ●適切なリーダーを見つける

 有色人種の女性を支持し、プログラムの立ち上げに熱心な「情熱的なビルダー」を見つける。可能なら、組織全体に影響力を持つシニアマネジャーやディレクターレベルの人から探す。

 リーダーには他にも、次のような特徴が求められる。

・関心が高い:有色人種の女性の昇進を望み、なぜそれが重要かを理解し、構造的な人種差別がいかに彼女たちを蝕んでいるかを認識している。また、理解を促進するための教育にも前向きである。

・説得力がある:人の話をよく聞き、効果的に質問に答え、自信を持って話す。抵抗されることを予測し、さまざまな聴衆に合わせてメッセージを伝える。

・適応力がある:いまあるリソースを活用し、目標達成のために必要なものを手に入れる方法を見つける。

・データドリブン:成功を測るのに役立つデータを把握し、いつ、どのようにしてデータを収集するかを計画する。

 ●賛同を得る

 プログラムを成功させるには、主要なステークホルダーのグループから賛同を得ることが不可欠だ。それぞれのステークホルダーに必要なものが以下だ。

・リーダー:プログラムの予算を承認する。また、スポンサーとしての役割を果たし、参加者がチーム会議にアクセスできるようにしなければならない。

・マネジャー:プログラムを推進する。直属の部下がプログラムに参加する場合は、マネジャー向けのトレーニングセッションや会議に参加する。

・参加者:プログラムのすべての会議や活動に参加する。また、プログラムに参加している同僚のリソースとなり、将来の参加者のメンターとなることも検討する。

 より早く賛同を得るためには、まずは試験的に始めることだ。少人数のグループなら資金も少なくて済む。また、効果を測るためのデータを集めることもでき、大規模な人に公開して多くの注目を浴びる前に、プログラムの問題点を解決することも可能だ。

 ●参加者に成果をもたらす

 最終的に、プログラムの成功は有色人種の女性が昇進するかどうかにかかっている。問題は、昇進を確実にするために必要なものが、参加者によって異なることだ。

 たとえば、昇進に向けて先導し、ネットワークを広げるうえでサポートが必要な人もいれば、自分に代わって主張してくれるスポンサーとのつながりが必要な人もいる。リーダーシップチームの会議に出席して戦略的思考や意思決定に直接触れることが有益な人もいるだろう。社内のリーダーたちと交流することで、誰もが自信を持つことができるかもしれない。

 だからこそ、多様なプログラムの要素が重要なのだ。コーチングやスキルアップのためのワークショップを提供し、スポンサーやリーダーとつなげ、リーダーシップチームの会議への参加を可能にすることで、各参加者はキャリアを加速させるために必要なものを得ることができる。

 最後に、データの収集も重要だ。昇進の数字を見るだけでなく、プログラムの前後で参加者の自信のレベルがどう変化したかを示すデータを集めよう。

 彼らのネットワークがどう変化したか、メンターを得たか、自分のキャリアについてどのように考えるようになったか、リーダーシップチームの会議に参加して何を学んだかなどを調べる。最終的には、プログラムのどの要素が最も大きな影響を与えたのかと、その理由を明らかにする。

 有色人種の女性のためのダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンに真摯にコミットするには、さまざまな取り組みが必要となる。それらが採用から退社まで、従業員体験のあらゆる側面に影響を及ぼすべきだ。

 特効薬となる唯一のプログラムは存在しないが、適切に構築されたキャリアアクセラレータにより、有色人種の女性たちが組織で確実に昇進できるようになる。


"Inside DoorDash's Leadership Accelerator for Women of Color," HBR.org, September 02, 2021.