(2)在宅勤務が続いても、仕事の社会的な要素を維持する

 仕事は、生産性を上げるための手段というだけでなく、人との有意義なつながりを持つ機会であり、仕事を通して人生の経験値を高めることができる。これは多くの人がオフィスを恋しいと思う主な理由でもある。仕事をより人間的なものにする失われた魔法を、取り戻したいという願望だ。

 オフィスに戻りたい人は、そして実際に戻ることができる人は、帰属意識を抱くという経験するだろう。あるいは帰属意識が、オフィスに戻りたいという思いに拍車をかけるのかもしれない。

 ただし、新型コロナウイルス感染症やそれに関連する個人的な理由でオフィスに戻ることができない人について、雇用主はどうすればいいだろうか。個人的な事情や制約以外の理由で、引き続き自宅で働くか、他人と物理的な距離を取って仕事をすると決めた人に対し、彼らの意味や目的に真摯に応え、企業文化の新しい章に彼らも含まれていると感じられるようにするには、どうすればいいだろうか。

 INSEADのジャンピエロ・ペトリグリエリ准教授が指摘するように、仕事の未来をあれこれ語る一方で、私たちがオフィスに戻る本当の理由は、50%の社会的な喜びと50%の社会的圧力である。私たちは人に会いたいし、自分に会いたくないと思ってほしくないのだ。

 そうだとしたら、人々は帰属意識ゆえにオフィスに戻ってくるのではなく、同僚に後れを取りたくない、あるいは経営者の好み(それが明示されているかどうかにかかわらず)に従うなど、より表面的でありふれた理由が彼らをオフィスに引き寄せているという事実を、組織は真剣に考えなくてはいけない。

 あなたの「子ども」を自由にして、彼らはうまくやれると信じ、家族がいつもそばで支えてケアしていると理解する。彼らが孤独を感じ、仲間意識や自発的な社会性という「第3の居場所」が恋しくなった時、人間関係を再構築して、より強いつながりを感じ、文化の進化に積極的に参加できるように手助けする。そのために組織とリーダーはどうすればいいのだろうか。

 スポティファイが最近、在宅勤務の従業員を対象に行った調査によると、彼らの最大の関心事は、自宅にいながら帰属意識をどのように高めるかということだった。スポティファイは、現在だけでなく将来に向けても、その意味を考えてみることにした。そして、人々が分散し、さまざまな状況に置かれている中で、コミュニティと文化について適切な感覚を持つことができるように、リーダーはどのような取り組みを続け、何をやめて、何を改善しなければならないかという議論が進んだ。

 私たちは何よりも社会的存在であり、習慣の生き物だ。ただし、バーチャルでデジタルな社会的出来事をどれだけ多くスケジュールに加えても、リアルな体験にはかなわない。かつては当たり前だと思っていた、組織と組織をつなげる仕組みや社会的接着剤が、私たちは恋しくてたまらない。