(1)強い文化と効果的なDIB(ダイバーシティ、インクルージョン、ビロンギング)の実践の間でバランスを図る

 企業はダイバーシティの重要性を高めるために、自分の違いが評価され、尊重されていると感じ、違いゆえに採用されたと感じるような、インクルーシブな文化を活用しなければならない。

 筆者(カタリーナ)がCHRO(最高人事責任者)を務めるスポティファイでは、ダイバーシティを「パーティに招待されること」、インクルージョンを「ダンスに誘われること」、ビロンギングを「自分の曲を演奏してもらうこと」と定義している。

 単純すぎると思うかもしれない。しかし、さまざまなパーソナリティを持つ人たちと踊りたいのに、すべての人の好みに合わせようとすると、あなたのダンスクラブには誰も来ないかもしれない。

 人は、仕事でも生活でも、単純で明快な提案に惹かれるものだ。ニュアンスを伴う合理性では選挙に勝てないように(そのような提案が受け入れられるためには、人々が部族的に考えるのではなく柔軟でなければならない)、すべての人に、すべてのものを提供しようとする文化は、ごく少数の人にしか興味を持ってもらえない恐れがある。「カルチャー・フィット」が人材の採用や登用のアプローチとして人気があり、DIBよりはるかにやりやすい理由もそこにある。

 ダイバーシティにはコストがかかるという話に行き着くと、文化への適合性ではなく、文化的な付加価値(チームに何かしら新しいものをもたらす人)を重視する採用といったアプローチが現実味を帯びてくる。マネジャー と従業員はこうしたコストを理解して取り組まなければならないが、それはかなり後の段階の話だ。

 ダイバーシティは、最初は組織のスピードを落とし、それが誤解を生む。さらに、さまざまな不公平を伴うバックグラウンドの人が集まると、意見や世界観が衝突する。そうした事態に対処する高潔な技術を、どのように身につければいいのだろうか。