ステップ4:「オンサイトびいき」を避けるための対策を講じる

「オンサイトびいき」とは、職場で働く従業員がそうでない従業員よりも昇進の機会を多く得ることだ。ハイブリッドな働き方を選択する女性や有色人種が増え、完全なオンサイトワークを選択する男性や白人が増えれば、その結果は予測できる。

 調査によると、オンサイトびいきは、組織がそれを避けるための対策を講じない限り、予測通りに起きる。対策法を教えよう。

 キャリアを高める仕事が誰に与えられているかを記録する。今日、多くの組織では仕事の割り当ては非公式に行われているが、それがうまくいっていないことは調査で示されている。

 パンデミック前の筆者らの調査でも、さまざまな業界の白人男性の85~90%が魅力的な仕事の機会を得たと回答したが、黒人女性は43~50%に留まっている。その他の女性や有色人種はその中間に位置するが、全体的によい状況ではない。

 筆者らのウェブサイトで公開している無料のツールキットには、組織内でキャリアを高める仕事を得る機会が平等に与えられているかを測定するうえで、必要なものがすべてそろっている。

 その1つが、オフィスの雑用を誰が行っているかを調べるためのアンケートだ。筆者らが行ったパンデミック前の調査では、オフィスの雑用をしなければならないと答えた女性は、白人男性に比べて29%も多かった。また、マネジャーが集まって部署ごとにキャリアを高める仕事の類型化を行うための、ミーティングプロトコルも用意している。

 マネジャーに誰が魅力的な仕事をしているかを記録させることも大切だ。職場で働いている人が、そうでない人よりも優遇されているかどうかがわかるパターンを探す。

 また、人口統計学的なパターンも探してほしい。残念ながら、おそらく見つかるだろう。もし見つかったら、バイアスを避けるためにマネジャーを教育するか、システムを変更するか、あるいはその両方を行う必要がある。それをしなければ、ハイブリッドな職場になっても既存の人種や性別のヒエラルキーが強化されるだけだ。

 ステップ5:会議を再考する

 ハイブリッドチームの会議はやっかいだ。一部の従業員がテーブルを囲み、他の従業員がリモートから参加する会議ではなく、全員がリモート、あるいは全員が対面で参加する会議を行うことを検討しよう。そうすれば優位な立場に立つ人は誰もおらず、リモートワーカーの見解を聞き逃すこともない。

 何も行動を起こさなければ、パンデミック前に女性や有色人種が会議で直面していた問題(話を遮られること、発言の機会を得ること、会議に招待されることなど)が、リモートワーカーに対して悪化する恐れがある。

 会議のスケジュールにも気を配らなくてはならない。会議が夕方や子どもを学校に送り届ける時間に行われているなら、子どもを持つ人やケアギバーの従業員は出席が困難、あるいは不可能になる。

 チームメンバー全員が参加可能な「コアタイム」を設定し、その時間帯に会議を行うようにしよう。また、異なるタイムゾーンで働くリモートワークの従業員への配慮も忘れてはならない。

 ハイブリッドワークに切り替えるには、熟考して慎重に計画を立てる必要があるが、仕事の未来を形づくるチャンスでもある。雇用主が適切に対処すれば、リモートワークの利用を民主化し、組織におけるキャリア向上の機会を平等にすることができ、その結果、優秀な人材の定着率の向上が期待できる。


"Don't Lose the Democratizing Effect of Remote Work," HBR.org, August 04, 2021.