(3)目的はどの程度、複雑か

 会議の形式を決める際、複雑性を基準にするとわかりやすい時がある。ここでいう複雑性とは、感情面の複雑さや特定の判断や成果に求められる相互依存レベルのことだ。

 下記の図表は、会議の目的を相対的な複雑性レベルを基準に並べている。リレーションシップを目的とした会議と複雑性との間に、一定の相関関係があることに気づくだろう。だが、完全に重なっているわけではない。

 たとえば、資本配分や大きな投資を決める会議は、タスクを目的とした会議だと見なされるかもしれない。しかし、そうした議論に人間関係や他の複雑さ、競合する優先事項の調整が絡む場合には、対面で直接やり取りするのが最善の可能性がある。

 同時に、リレーションシップを目的とする会議が、比較的単純な場合もある。この予期せぬコロナ禍の時代に、筆者が気に入ったサクセスストーリーがある。その一つが、筆者がある大手不動産会社でズームを使ったホリデーパーティを運営した時のものだ。

 この集いは、その会社、バーンスタイン・マネジメント・コーポレーションにとって、従業員に感謝と賞賛を伝える場である。目的としては、このうえなくわかりやすい。

「もし1年前に、ホリデーパーティをバーチャルで開催してはどうかと言われていたら、間違いなくノーと言って、提案者の神経を疑っただろう」と、CEOのジョシュア・バーンスタインは筆者に語った。

「だが、そのほうがいろいろな意味でうまくいった。どの参加者も同じ会話に集中していた。席の当たり外れもなかった。ほぼ全員が、これほどプログラムを楽しめたことに驚きを表した。驚きや新鮮さという要因が、最終的に成功の一因となったと思う」

(4)会議をまったく別の形態にできないか

 対面、ズーム、ハイブリッドと選択肢はあるが、そのいずれにも属さない無数の可能性が存在する。自由に使えるツールがますます増えたいま、情報をより効果的に浸透させる伝達手段が他にもあるのではないか。

 あるクライアントは、月例の全社会議をやめて、事前に録画した映像に切り替えた。そうすることで、スタッフは自分の時間(ジョギングや夕飯の支度をしている間かもしれない)に視聴できる。見逃したり、聞き逃したりした部分があれば、戻って再生できる。

 この方法は、学習タイプの多様性を尊重している。実際に、従業員の中には、マルチタスクをこなしている時のほうが、頭に情報が入りやすい人もいるからだ。

 この方法を採用する場合には、決められた日までに動画を見るよう従業員に伝え、そのうえで、スラックやワッツアップのようなプラットフォームで任意参加できるQ&Aセッションを開き、フォローするとよい。

 筆者がクライアントとバーチャルで仕事を行う時は、ブレイクアウトルームごとに記録係を置くことが多い。

 記録係は、グーグルドキュメントを使って会話を記録する。再び全員で集まった時に、グーグルドキュメントに目を通す「ギャラリーウォーク」の時間を数分間設け、それぞれが他のグループの話し合いの結果を確認し、気に入ったアイデアにコメントを加える。

 この方法によって、「結果報告による死」(death by report back)として知られる現象を回避することができる。つまり、それぞれの代表がグループで話し合った内容を何から何まで逐一報告し、その間、他の参加者は自分の順番が回ってきた時に何を話そうか考えているという状況を防ぐのだ。