(1)それは会議を開いて行うべきことか

 この1年間で学んだことがあるとすれば、それは時間の価値だ。自分の時間の大半を会議に費やしているとしたら、それほど無駄なことはないということだろう。

 それがまさに、2020年に起きた出来事だ。コーヒーメーカーの近くで誰かとばったり偶然出会ったり、誰かのデスクに立ち寄ったりすることができなかったことで、交流はすべて、あらかじめ計画して行うものになった。その結果、会議と会議の合間は、次のズーム会議のリンクを必死になって探す時間に変わった。

 いま、偶然の出会いもある対面交流が可能になり、そしてバーチャルワークの方法が身につけた私たちは、慎重に考える必要がある。会議に費やす時間を、本当は物を考えたり、何かを書いたり、他のプロジェクトに費やしたりしたほうがよいのではないか、と。

 レス・イズ・モア、すなわち少ないほど豊かである。会議を減らせば減らすほど、一つひとつの会議の重要性は増していく。重要なのは目的だ。何のために会議を開くのか、自問しよう。納得のいく理由がなければいけない。本当に集まって会議をする必要があるのか。

 全員が同じ時間に働くことを前提としない「アシンクロナスワーク」(非同期の働き方)を優先し、会議はただ情報を共有するためではなく、クリエイティブなコラボレーションを目的に行われるべきだ。

 たとえば、メンバーが進捗を報告するチーム会議では、自分が担当する時間があるとはいえ、それ以外の時間は比較的受け身だ。必ずしも会議の形を取る必要はないのかもしれない。そうした場合には、テキストベースのほうが効率的に目的を達成できるだろう。

 一方、ブレインストーミングセッションのように、互いのアイデアに刺激を受ける場である時には、メンバーが集まることで集団力学の恩恵を得られる。

(2)会議の目的はリレーションシップか、タスクか

 タスクを目的とする会議とは、定例取締役会や投資家向け説明会、イベントの企画会議などだ。これらの目的は、バーチャル会議で達成できる場合が多い(そもそも会議が必要だと見なされた場合だが)。

 リレーションシップが目的の会議は、チームメンバー同士のつながりを強化または修復する狙いがあり、一般的には、対面で行うのが最も効果的だ。難しいフィードバックは、直接顔を合わせて行うべきである。集団での難しい話し合いも、重要な議論が私語によって台無しにされたり、じゃまされたりすることのない対面で行われるべきだ。

 ここで「一般的には」と言ったのはなぜか。それは筆者がこの1年の間に、参加者が連帯し、互いに心を開いた意味深いバーチャルミーティングに参加する機会が何度もあったからだ。仮に対面で行われていたら、きっとそうはならなかったと思っている。

 一部の人々にとっては、画面を通すことで心理的安全性が得られ、自分の意見を述べるというリスクを負いやすくなるのは確かだ。