●仕事だけの取引関係にならないようにする

 オフィスで一緒に働く同僚同士の場合、エレベーターに乗り合わせたり、休憩室で一緒になったりして、「この前の休暇でどこに出かけたか」「どのスポーツチームが好きか」など仕事以外のプライベートな側面について、それとなく知る機会が自然発生することが多い。

 言うまでもないが、そうした情報は職務を果たすうえで必要不可欠ではないため、重要ではないと思われがちだ。しかし実際には、ある種の「社会的接着剤」の役割を果たしている。これが、特定のプロジェクトや顧客について、ズーム会議で話し合うだけの取引関係を超えた同僚とのつながりを可能にするのだ。

 研究によれば、オンラインでの交渉では、取引に関する「ファクトのみ」にこだわりすぎず、参加者が互いに個人的情報を交わして絆をつくると、合意形成に成功する確率がはるかに高いことが示されている。

 同様に、あなたに個人的なつながりを感じている同僚は、それほど親しい関係にはない同僚に比べて、その場にあなたがいない時に擁護してくれたり、都合が悪い時でも自主的にあなたを助けようとしてくれたりする確率が高いのは、ほぼ間違いない。

 リモートで働く場合、このようなつながりをどう構築するかをより真剣に考えなくてはいけない。偶然顔を合わせて、その場でランチに誘ってもらうといったことも当てにはできない。

 同僚を1対1のビデオチャットに誘うのも、バーチャルネットワーキングイベントを開催するのも、あなた自身が先導して始めなければならないだろう。

 しかし、そのような努力を払う価値はある。社会的なつながりを持つことは、職場でのあなたの評判にも、仕事を成功させる能力にも大きな影響を及ぼすからである。

 ●物理的にオフィスに顔を出す

 地理的に可能であれば、同僚に会うために時々、オフィスに行くように努める。特に、これまで一緒に働いたことのない新入社員がいる場合には、確実にあなたの「名前と顔が一致する」ようにするとよい。

 同様に、オンラインミーティングでビデオカメラをオフにすることが職場の文化で許されていても、仕事にふさわしい背景を使い、顔に十分な光が当たるように調整したうえで、あえて自分のカメラをオンにするのもよいだろう。

 些細な美意識の問題で、他の同僚がカメラをオフにしている場合にはやりすぎだと感じるかもしれない。しかし、オフィスにいる同僚は、あなたよりも多くの時間を対面で働いているため、周囲の人々にとって、当該の人物を評価するうえで使える対面交流という形式のデータは、はるかに多い。

 一方で、あなたがフルタイムで在宅勤務をしている場合、オンラインミーティングは同僚とつながる唯一の手段であるため、自分自身をどう見せるかについては、過剰といってよいほど気を配る必要がある。