権利を伴うトークン

 スマートフォンを持っている人は誰でも、暗号資産投資家、もしくは暗号ネットワークのユーザーになれる可能性がある。しかし、コインベースのような暗号資産取引所のアカウントを開設するだけでは十分でない。

 賢明な投資家は、ニュースを賑わす派手な暗号資産を無視し、暗号資産の基礎について時間をかけて学ぼうとするだろう。ガバナンストークンを保有していれば、暗号資産の未来を形づくる権利を持つことができる。暗号資産投資がいっそう洗練されるにつれて、ガバナンストークンの重要性はますます高まるだろう。

 いま世界は、ますます少ないもので、ますます多くのことを成し遂げられる新時代に突入しようとしている。それを可能にしている理由の一つは、テクノロジーのイノベーションが経済の核を成していることにある。

 今後、自動化はいっそう進展するだろう。その潮流が続く中で必要とされるのは、人間と機械の境界をマネジメントするメカニズムだ。DeFiにおいては、オンチェーンガバナンスの仕組みとガバナンストークンの使用が、その点で非常に有望に見える。

 暗号資産は、まだ比較的新しい分野だ。次々と登場しているジョークコインの類いを過大評価してはならない。しかし、それに惑わされて、真のイノベーションを見落とさないようにしよう。

 所有者に明確な権利を付与する暗号資産は、ガバナンストークンだけだ。ガバナンストークンを入手して、投機を行うだけでなく、システムの運営に参加してみてはどうだろう。ガバナンストークンは、投資家に持ち分だけでなく、投票権も与える。投票する権利がいかに重要かは、私たちの歴史を見ればよくわかるはずだ。


"Who Writes the Rules of a Blockchain?" HBR.org, July 23, 2021.