では、オフィスが再開した後、父親たちはどうすればいいのか。

 まず、日常的な家事に意識的に関わることだ。男性が自分の仕事だと思い込んでいる家事は、重要だが頻度は高くない。排水溝の詰まりを取り除くことや、ごみを出すこともそうだ。

 しかし、パンデミックの際は、男性たちは子どもを風呂に入れ、子どもと一緒に夕食をつくり、朝起こすために子どもをくすぐる「ティックルモンスター」になり、学校の後にスカベンジャーハントのゲームをした。

 筆者らの調査では、妻に嫌いな家事を尋ね、それを引き受けたら感謝されたと強調する父親がいた。防風用の二重窓を取り付けるなどは素晴らしいことだが、そのような散発的な作業は日々の家庭生活に積極的に参加することの代わりにはならない。

 ふだんから家事をするには、父親は家庭のパートナーや職場の同僚と交渉したり、問題を解決したりしなければならない。積極的に子育てに関与することが新型コロナ前の「ノーマル」でない場合は特にそうだ。

 しかし調査によると、男性はマネジャーに家族への配慮を求めることを躊躇する。ワーク・ファミリー・バランスを求めることは、男性にとってステレオタイプに反するからだ。

 父親がパートナーや上司、同僚と問題を解決する際には、相手の利益を念頭に置き、こう考えるべきだ。「パンデミック後の新しい体制で、相手にとっても重要なことを実現するにはどうすればよいか」

 筆者らの調査では、家族のニーズについて職場で発言するようになったという父親もいた。ほとんどの場合、同僚は受け入れてくれただけでなく、共感し、感謝した。

 ある男性がチームに、子どもを学校に迎えに行けるようにスタンディングミーティングを計画したいと伝えたところ、チームメイトの一人が「オンライン学習のために息子が家にいる日は空けておきたい」と明かしたという。

 パンデミック前には無理だと思われていた体制づくりも、リモートワークが生産性を低下させないことをマネジャーが理解し、仕事の柔軟性を求める従業員の思いが広がっているいまなら、実現可能かもしれない。

 パンデミックから抜け出す際には、パンデミック下のルーチンのうち、どれを定着させ、どれを2019年の方法に戻すかを選択することができる。他のパンデミック後の決断とは異なり、働く父親たちがどのような父親になることが望ましいかを知るのに、CDC(米疾病予防対策センター)のガイドラインを待つ必要はない。父親として家庭に関与することが、本人、子ども、パートナー、そして組織に利益をもたらすことはすでに研究で明らかになっている。

 パンデミック後は、父親が家庭に対する「リーン・イン」(一歩を踏み出す)のチャンスなのだ。


"How Working Dads Can Keep Pulling Their Weight at Home When WFH Ends," HBR.org, July 22, 2021.