暫定プランの見直しと修正

 この段階になると、計画ができたことに安心し、早く実行に移したいと思うだろう。だがその前に、もう一つ重要なステップがある。実行できそうな解決策を見出したら、それを見直す日を決めておくことだ。

 たとえば、まず2週間程度実行したら簡単に状況を確認し、1カ月半後に正式な評価を行う。双方が計画通り進めるためにできる限りの努力はするが、うまく機能しなかった場合には修正の機会があるとわかっていれば、安心できるだろう。

 合意した日が近づいたら、現状の勤務形態の計画と実施に関して、問題点や懸念事項がないか振り返るように、メンバーに依頼する。

 たとえば、計画自体の問題(サムがチームミーティングにリモートで参加できるとあなたは考えたが、サムの努力にもかかわらず、実際にはうまくいかなかったなど)と、実施上の問題(サムはリモートミーティングに参加している間、マルチタスキングをしているようだなど)とは異なる。

 メンバーには、リーダーのコミットメントや行動に対する評価も行ってもらう。リーダー自身も、同じように評価メモを作成する。たとえば、下記のように整理するのがよい。

 この実験をそれぞれのメンバーと振り返る時には、実施上の問題ではなく、まず計画そのものに関する問題から始める。計画を立てた時には、思いもつかなかった判断基準や考慮すべき事柄を共有し、それから新たな解決策を導き出すまで話し合う。

 励ましの姿勢を忘れてはいけない。これは初めて踏み込む領域であり、最初の計画が完璧でなかったとしても、何ら驚くことではない。組織、チーム、個人にとって最善の解決策にたどり着くまで、繰り返し見直す。ここでもまた、次に見直すタイミングについて、事前に合意しておくことが欠かせない。

 問題が合意した勤務形態ではなく、一方または双方がそれを守れなかったことであれば、その事実を認める必要がある。リーダーがみずから切り出せば、相手も率直なフィードバックを返しやすくなる。

 たとえば、「私の準備不足で、計画がうまくいかなかったところはありませんでしたか」と質問する。あるいは難しいフィードバックを求める時に、筆者がよく使う聞き方がある。「私が採用した方法で、よかったと思うところ、こうしてほしかったと思うところはどこですか」という問いかけだ。「こうしてほしかったと思うところ」を聞かれるほうが、なぜか当たりが柔らかく、変更を望む点について率直に話しやすくなる。

 最後に、メンバーがオフィス復帰計画に同意したにもかかわらず、それを守らなかった時には、パフォーマンス管理の問題になる。他のパフォーマンスの問題と同様に、対処しなくてはならない。

 自分が相手に何を期待し、相手の実際の行動はどうだったか、フィードバックを与える。彼らの行動が仕事、チーム、リーダーである自分に、どのような影響を与えるかを伝える。

 そして、今後何をどう変えていくつもりか尋ねる。仮に、その後も問題が解決されなければ、それに伴う結果を段階的に拡大し、当人に与える自由度を少しずつ狭める必要があるかもしれない。

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 オフィス復帰に関して唯一確かなことは、不確かなことがたくさんあるということだ。これまでと働き方が異なるのは、自身のチームだけではない。顧客、サプライヤー、そしてパートナーの働き方も変わる。そこには、多くの人が世界的なパンデミックで経験したさまざまな変化も加わる。

 オフィスに戻りたくて仕方がないという人もいれば、オフィス復帰を恐れている人、その間を揺れ動いている人もいる。そのような状況で対話に臨むには、通常よりも少し余分に準備が必要だ。だが、その価値はある。なぜなら、いざという時にその分、明確かつ確信と思いやりを持って対応できるようになるからだ。


"How to Have Tough Conversations About Returning to the Office," HBR.org, July 16, 2021.