HBR Staff/Bernhard Lang/Getty Images

オフィス再開に関する議論が交わされる中、出社勤務に戻ることに不安を抱く従業員は少なくない。新型コロナウイルス感染症のパンデミック前は、当然のようにオフィスで仕事をしていたのだから、動揺する理由がわからないとさらに不安が増すかもしれない。だからといって、自分を責めてはいけない。元の職場に戻るといっても、さまざまな変化があり、新しい環境に身を移すのと変わらないからだ。そうした変化に対して、不安が高まるのには正当な理由がある。本稿では、オフィス復帰に不安を抱く理由を解説し、それを乗り切るための4つのヒントを提示する。


 オフィス復帰を前に社交不安を感じているのは、あなただけではない。多くの人々が不安を感じている。

 1年以上にわたるリモートワークを経て、画面を通じてしか会っていなかった同僚とまた直接顔を合わせると思うと、気が重いという人もいるだろう。さらに、コロナ禍の状況は依然として不安定なために、オフィス再開により「日常に戻ること」が今後どれだけ持続するのか確信を持てずにいる。

 なぜ、オフィス復帰にこれほど動揺しているのだろうか。以前はオフィスライフに対応できていたことを考えると、不思議に思う人も多いだろう。意外にもオフィス復帰に困難を感じている理由と、それを楽に乗り切るためのヒントを以下に示そう。

(1)環境の変化は、人の不安を高める

 人間心理の多くは、進化に裏づけられている。私たちにとっては、慣れ親しんだ状況のほうが安全で予測可能なことが多い。そうした状況では、警戒を緩めることができるからだ。

 馴染みのない状況では、いつもより緊張した状態になり、危険に対して常に目を光らせるように脳が機能する。このため、環境の変化は不安を増大させる傾向があるのだ。私たちは常に、潜在的脅威に対してそれとなく警戒している。これは適応反応によるものだが、相当の疲労を感じることにつながる。

 たとえば、新しい職場で仕事を始めた最初の半年間、どのように感じていたかを思い出してみよう。新しいスキルや手順、そして新しい職場の文化的規範を学ぶ必要があるため、多くのストレスを感じる時期である。元の職場に復帰する場合であっても、さまざまな変化があったはずだ。今回も、同じタイプの適応ストレスを感じることを覚悟しておくとよいだろう。

 新たな仕事に就く、あるいは大学や大学院に入学するなど、これまでとは違う環境に身を置いた時と同じく、自分に対して寛容になり、思いやりを持つことが欠かせない。自分自身に優しくするための具体的なヒントが必要な時には、こちらの論考を読んでみてほしい。