(3)宗教上・医療上の理由による接種免除の基準は、公衆衛生上の勧告および法令に従う

 ヒューストン・メソジストでは、新型コロナウイルス・ワクチンの接種免除および接種延期の申請を審査する役割は、毎年のインフルエンザ・ワクチンの免除申請を審査するのと同じ多職種委員会が担っている。

 ヒューストン・メソジストのワクチンポリシーには、医療上の理由や真摯な宗教上の理由により接種できない人への配慮も含まれている。また、妊娠中の女性には接種の延期を認めるものとした。ワクチンの初期の臨床試験では、妊娠している女性を対象外としていたからだ。

 ただし、緊急使用許可以降のデータを見ると、新型コロナウイルス・ワクチンは、妊娠中の女性が接種しても安全と言えそうだ。また、米国産婦人科学会も、妊娠中の女性へのワクチン接種を推奨している。こうした専門家の意見に加えて、妊婦が新型コロナウイルスに感染した場合に重症化しやすいという点も考慮に入れ、私たちは妊娠中の女性に対してもワクチン接種を強く促している。

 その一方で、ワクチンポリシーは、州や地元自治体の法令に沿ったものでなくてはならない。たとえば、テキサス州では、宗教上・医療上の理由で接種免除を認めるよう雇用主に義務付けている。

 しかし、院内のすべての人の安全を確保するために、ワクチン接種の免除、あるいは延期を認められたスタッフは、2週間に1回、新型コロナウイルスの感染を調べるための検査を受け、すべての職員が着用するマスク(N95マスクや不織布マスクなど)に加えて、フェイスシールドの着用を義務付けられている。

(4)強力な啓蒙キャンペーンを行う

 ワクチンを接種した場合と接種しない場合のリスクとメリットについて、従業員向けの啓蒙キャンペーンを行うべきだ。どのようなプロセスでワクチンポリシーを策定したのかも、包み隠さず説明したほうがよい。ワクチン接種に不安を感じている従業員の声に耳を傾けることも怠ってはならない。啓蒙活動の利点は、無理強いよりも格段に大きい。

 ヒューストン・メソジストでは、メールとスタッフ集会を通じて、ターゲットを絞り込んだ啓蒙キャンペーンを行った。スタッフ集会では、専門家がリスク便益分析の結果を説明した。その際に留意したのは、誰もが質問できる場を用意することだった。スタッフ集会に加えて、さまざまなリーダーにメールで質問したり、オンライン上のチャットサービスを設けたりもした。

 重要だったのは、どのような勤務シフトで働いている人も、そしてワクチンに関する知識が多い人も少ない人も、このような場にアクセスできるようにしたことだ。また、情報は複数の言語で提供した。