問題の本質は、「レインボーのロゴは有害無益なのか」という単純なものではない。企業として、そして消費者として、私たちが根本を問うべきは、「ブランドが何らかの大義を支持していることを、どうすれば純粋かつ有意義に、説明責任を持って示せるか」だ。

 これは数年前、ブランディングとプライドに関するパネルディスカッションに登壇した際に、筆者に投げかけられた質問そのものだ。パネリストで企業に属していないのは、筆者だけだった。その時に筆者が指摘したことは、現在もほとんど変わっていない。

「マーシャ P. デイビスやシルビア・リベラのように、1960年代から70年代にプライドパレードを行い、耳目を集めた非白人性的少数者(QTPOC)の人々にとって、あなたがたが現在販売しているような商品は、高価で手が出なかっただろう。
 あなたの会社で働くQTPOCの人々は、いまも生活賃金を稼ぐことができず、その多くが、職場で不当な差別に遭っている。究極的には、LGBTQ+の人々にとってインクルージョンにはほど遠い職場環境の企業に、商品やブランドをLGBTQ+コミュニティに売り込む資格はない。
 レインボーのロゴは、インクルーシビティという言葉で根強い不平等を覆い隠す、壊れやすい装飾にすぎない。その真実は遅かれ早かれ、明らかになるだろう」

 他のパネリストは、自社がプライドのロゴを利用していることを擁護するだろうと、筆者は思った。だが、あるエグゼクティブの発言に、筆者は驚かされた。

「私たちの会社ではそうした理由から、6月だからといってロゴをレインボーカラーに変えたりしない」と、彼女は説明した。「私たちは、自社がインクルーシブで誰もが受け入れられる会社だという評判を確立し、年間を通じて、たとえ通常のロゴであっても、消費者にそれを連想してもらえる会社になるべく、あらゆる取り組みを行なっている」

 これは、実に力強い提案だ。いまのタイミングでは、特にそうだろう。2020年に社会正義が大きな問題となり、企業のアカウンタビリティ(説明責任)を問うことを学んだ消費者は、プライド月間に対する姿勢についても同様の問いを抱いている。

「私たちは1年365日、クィア[編注]だ」と口を揃えるLGBTQ+の消費者にとっては、なおのことだろう。今日の消費者は、企業が言葉だけでなく、実際に行動を起こすことを求めているのだ。