(4)メンタルウェルネスに関する公式のポリシーとプログラム

 メンタルヘルスウェルネスについて公式のポリシーやプログラムがある組織では、それらがない組織に比べて、従業員間の自信が平均で31%高い。さらに、障害のある従業員がみずからの障害を公表する割合も38%高いという結果が示されている。

 筆者はアクセンチュアを通じて、「スライビング・マインド」の恩恵を得ている。これは、スライブ・グローバルスタンフォード大学医学部が共同開発した企業向けプログラムで、筆者はこのプログラムを通じて、多発性硬化症とコロナ禍に関連するストレスについて理解を深め、実際にストレスを軽減することができた。

 アクセンチュアにはメンタルヘルス・アライ・プログラムもあり、世界中の従業員5000人以上が、仲間がサポートを必要としている時に耳を傾ける訓練を受けて、ボランティアとして登録している。彼らは安全で批判されない場を提供し、必要に応じて、同僚が他のリソースにアクセスする助けとなっている。

(5)互いにサポートし合う従業員リソースグループ

 障害のある従業員にとって最善の従業員リソースグループ(ERG)とは、メンバーだけでなく、他のERGのメンバーともオープンな対話とネットワーキングを推進するものだ。会社がこれらのグループを後押しし、サポートを提供することで(経営陣が関心を示し、金銭的な支援をする。控えめな金額であっても構わない)、障害のある従業員は恩恵を受けることになる。

 こうしたグループ、とりわけ民族、宗教、ジェンダー、LBGTQ、軍関係者、そして働く親を中心とするグループは、メンバーが学習し、成長して、経験を共有する安全なスペースを提供する。

 こうした要素を備えている組織は、そうでない組織に比べて、キャリアをさらに高めたいと思う従業員の割合が平均で21%高く、信頼レベルも24%高いのは、驚くことではない。活発なERGがある企業では、障害のある従業員がみずからの障害を公表する割合が26%高いことも明らかになっている。

***

 最終的に筆者は、2018年秋に社内ブログで自分の障害を完全に公表した。社外向けにも、2019年に別のブログで公表した。すると障害を持つ同僚が、自分の障害を筆者に打ち明けてくるようになった。正式に公表する前の様子見といった部分もあるだろう。

 筆者の仕事に対するエンゲージメントは改善され、もっと多くを成し遂げたいという意欲が高まり、キャリア向上という新たな希望を持ったことで、実際の能力も高まっていった。不安は低減する一方、自信と帰属意識を強く持てるようになったのだ。

 筆者の雇用者は、従業員がみずからの障害を安心して公表できる環境を構築することで、筆者自身が強くなる助けとなった。あなたの組織でも、似たような経験をしている従業員のために、同じことができるはずだ。


"Make It Safe for Employees to Disclose Their Disabilities," HBR.org, June 28, 2021.