●パーパス

 オフィスで同僚と一緒に過ごすことで得られるもう一つの利益は、共通のパーパスを持っているという感覚が強化されることである。

 目標伝染という現象は、人が他者の行動を観察すると、同じ目標を掲げる頻度が高まることの表れだ。共通のミッションに向かって働く人々が周りにいることで、職場の誰にとってもその目標が強化される。

 組織のミッションとの結びつきを実感できると、仕事に対する満足度全体が向上する。組織が成し遂げようとしていることが正当だと確信できれば、仕事は天職、あるいは成すべき務めとなり、単に給料を稼ぐための手段ではないという感覚が強化されるのだ。

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 このように職場で同僚とともに時間を過ごすことは、組織にも個人にも恩恵をもたらす。ただし、実際の効果、特に個人に対する効果が出るまでには、ある程度長い時間がかかる。対照的に、オフィスに戻らずに在宅勤務する利益は、個人に対して短期的に効果があるのは明らかだろう。

 人には、短期的利益を得られる選択肢を好むという強いバイアスがある。だが実際には、対面で働くことによって、ワーキングライフがより豊かになる可能性もあることを忘れてはならない。


"Why You May Actually Want to Go Back to the Office," HBR.org, July 01, 2021.