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リーダーとしてチームを信頼することは大切だが、すべてを鵜呑みにするわけにはいかない。真実を曲げたり、明らかな嘘をついたりする人に出会うこともある。嘘を容認していると意思決定に支障をきたすだけでなく、チームの人間関係に悪影響をもたらすことも確実だが、行動を改めさせるのは簡単ではない。筆者は、まず嘘をつく理由を理解することが、適切な改善策につながると主張する。本稿では、3つの典型的な動機とそれぞれの対処法を紹介する。


 リーダーであるあなたは、チームメンバーが真実を話していると信頼しているため、思慮深い決断を下し、状況を把握しているという自信を持つことができる。

 たいていのメンバーは、リーダーの信頼に真実で応えてくれる(自分に都合のよい解釈をしている時もあるが)。しかし、真実を曲げたり、明らかに嘘をついたりする従業員に出会うことがある。マネジャーにとっては、実際の状態について確信が持てなかったり、自分が間違っているに違いないと自分に言い聞かせたりするため、最も困難な状況の一つと言える。

 嘘をついているという具体的な証拠があっても、行動を起こすのは難しい。

 私たちは子どもの頃から、嘘をつくことは悪いことであり、不正であると教えられてきた。相手が自分を信用してくれなかったことに傷ついたり、相手に操られて利用されたことに腹を立てたりするかもしれない。しかし、傷つき、憤るという通常の反応を経た後、チームメンバー全員と自分のマネジメント能力に対する信頼を失わずに、状況を正すためには何ができるだろう。

 最も効果的な対応策を見つけるには、まずポジティブな意図であるとの前提に立ち、従業員がなぜ嘘をついたのかを理解することだ。従業員が嘘をつくことで何をしようとしているのかがわかれば、行動できる。筆者が何十年にもわたってコンサルティングを行う中で目にしてきた、従業員が嘘をつく最も典型的な3つの動機と、その対処法を解説する。

 ●人を怒らせることや争いの引き金になることを恐れている

 従業員の中には、真実を話すことで、あなたや他の人が否定的な反応を示すのではないかと恐れている人がる。自分が直接関与していると感じ、自分やあなたに悪影響が及ぶことを不安に思っている。彼らは、あなたが自分に失望していないか、あなたが自分を罰する必要がないかを確認したいのだ。

 たとえば、筆者が協力したあるバイスプレジデントは新規事業部の立ち上げに携わっていたが、経営陣が設定した目標に達していなかったため、数字をごまかしていた。彼は経営陣を失望させることや、「問題を起こす」ことを避けたかったのだ。

 問題を起こすことを恐れている従業員に対してあなたがすべきは、真実を話すことを促す心理的安全性を提供することだ。責任を伴わないということではない。しかし、正直に話してくれればあなたの仕事に役に立ち、そうでなければあなたの仕事をより困難で危険なものにするため、相手が理解している真実を聞きたいのだということを明確に伝える必要がある。それがたとえ、あなたが望む答えではなくても、だ。

 たとえば、「あなたとあなたの情報は信頼できるものでなければいけない」とか「たとえ悪いニュースでも、真実を知ることは私の仕事の助けになる」などと主張しよう。

 筆者は前述のバイスプレジデントと一緒に新しい部門を立ち上げていた時、次のような言葉で「誘導尋問」をした。「あなたが私を現実から遠ざけると、状況を改善するための最善の判断ができません。私にとってあなたの言うことは信頼できるものでなければならないので、少し考えて、自分の答えに自信が持てるようにしてください。そうすれば、私たちが持つ本来の選択肢を知ることができ、一緒に解決策を見つけることができます」