●自分の考えを説明する

 アナウンスし、名前をつけたら、提案の骨組みだけを説明する。そうすることで、絵画の額縁のように、聴衆の注意を自分が望む方向に集中させることができる。

 次に、考えを具体的に示す前に、それがなぜ重要で、なぜ「いま」なのかを説明する。アイデアはスケジュールと競合する。忙しい中で、なぜこのトピックを重視すべきか明確に示す必要がある。

 リアーナがまだ明確に伝えきれていなかった考えの中には、ハイブリッドワーク環境への復帰に関連するアイデアがあった。彼女の会社ではさまざまな選択肢について議論しているため、彼女の意見がすぐに実行されれば、従業員が共通に抱いている懸念に対処できる。

 もしタイミングの重要性を認識させなければ、社交辞令の拍手は得られても、実際の動きには結びつかない。「いますぐ行動しなければならない」と聴衆を納得させることができれば、提案にいっそう注意が向けられるようになる。

 ●フィードバックを歓迎する

 自己不信に陥っている時は、自分の発言に同僚が乗ってこなければ、そのサインを受け入れる以外にない。

 リアーナもまさに、その通りになった。誰からも反応が返ってこなかったことで、最大の不安が確信に変わった。つまり、自分の提案は誰からも興味を持ってもらえず、やはり自分はそれほど賢くないのだ。

 そこで断念するのではなく、聴衆を巻き込むきっかけになる言葉を発することだ。「このように感じている人は、何人くらい、いらっしゃいますか」「このトピックについて、あなたはどのように思いますか」「特に気になるところは、どこでしょうか」といった問いかけで、はっきりとフィードバックを求める。自由回答形式の質問で誘いをかければ、相手はいま伝えられた内容を評価し、より深く考えるようになる。

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 これらの戦略を実行して、リアーナは驚いている。自分の根底にある不安を深く見つめるまでもなく、自分の意見を口に出して言えるようになったという。彼女はもう会議で発言し、アイデアを提案することが怖くなくなり、さらに手応えも得られている。

 自分の意見を聴衆に聞かせるための手法を実践することで、それまで相手に響かなかったのは、自分のアイデアに面白みが欠けていたからではなく、自信のない伝え方が原因だったことを経験的に知った。

 意見の提示の仕方を変えた結果、彼女は大きな自尊心を手に入れた。自分の提案が同僚に採用されると、自然と態度にも自信が現れるようになった。

 迷いや不安がある時に、自分の内側を深く掘り下げていけば、同じ誤った論理がさらに掘り起こされるだけだ。外的行動を取ることによって、自己懲罰の網からみずからを解放し、自分自身にも、聴衆にも、創造性を発揮する場をもたらすことができる。


"Conquer Your Self-Doubt in Meetings," HBR.org, June 21, 2021.