●発言する内容をアナウンスする

 議論が白熱している時には、声を上げても気づかれないことが多い。リアーナは控えめな性格から、話の出だしが優しすぎたり、早口になりすぎたりして、最初の一文を言い終えないうちに聴衆の関心を失ってしまっていた。

 この失敗を避けるには、本題に入る前に、これから意見を述べると宣言するのがよい。たとえば、次のような質問で前振りをする。

「お客様の視点から見てどうなのか、ちょっと確認したいのですが」「これらの指標は長期的に見ると、どうなのでしょうか」「市場のマイクロトレンドの文脈でとらえた場合、私たちのアクションについて別の考え方はできないでしょうか」といった具合だ。

 まずはドラムロールの代わりに、自分が話そうとする内容を宣言する。それによって、参加者の注意をこちらに向ければ、本題の冒頭が聞き逃がされることもなくなる。話の大枠を提示することによって、発言権を主張するだけでなく、議論の焦点を絞ることにもつながる。

 ●自分の考えに名前をつける

 意見を発表する前に、自分の観点に名前をつける。リアーナの場合、自分自身の価値に確信が持てなかったため、前面に出ることを避けていた。彼女のボディランゲージや発言頻度の少なさ、そして発言した時の言葉不足によって、彼女は背景に紛れてしまっていた。

 リアーナはそれ以降、会議のメモを見直してパターンを確認するなど、自分の考えに名前をつける手法を採用している。根底にあるテーマを見極め、一般的なフレーズの頭字語を考え出したり、言葉遊びを見つけたりしている。

 最近の会議では、「北米のみ」「文化的無知」「高成長市場」などのフレーズから、自分のアイデアの根底にある「世界の他の国々とともに」(Rest of the world together)という考え方に「ROW together」という名前をつけた(編注:「一緒に漕ぐ」の意味にも読める)。

 名前をつけることによって、自分の軸が定まる。必要に応じて、それを共有しよう。発表する時は大きな声で、とりわけ「ROW together」のような言葉遊びは、少しユーモアを交えて発表すれば、自分の緊張も和らぐ。

 即席で行うのは必ずしも簡単ではないが、名前をつけることで、自分の考えがより明確になり、重みも増し、時間をかけて意見を聞いてもらえるようになる。