(1)タスクの量を減らす

 やることリストとは、言わば合意リストである。たとえば、「来週の会議に向けて、予算に関する情報を更新するのはお任せください」「仕事が終わったから、何か夕食になるものを買って帰るよ」、あるいは「今晩中にパワーポイントの資料を更新して送ります」という具合だ。

 合意が成立するや否や、それを実現させるプレッシャーがかかり始める。合意を破棄したり、再交渉したりする必要が生じた場合、容易には進まない会話をしなければならないというストレスがさらに加わり、誰かをがっかりさせることに対する罪の意識も芽生える。

 大量のタスクから生じるプレッシャーを減らすには、最初の段階で一線を画し、後で再交渉を強いられないようにすることだ。その一線をどのように維持するかは、自分のやることリストが人から割り振られたタスクによって増える傾向にあるのか、あるいはみずから選んだタスクによって増える傾向にあるのかによって異なる。

 割り振られたタスクに対しては、時間ではなく優先順位で考える。上司から何かを頼まれた場合に「そんなことをする時間はありません」と答えるのは、あまりに感じが悪い。そうした返事をする代わりに、「これとX、Y、Zのタスクがありますが、どれを優先したらよいでしょうか」と質問するのがよい。

 この質問で、2つのことが達成できる。まず、優先順位を決定する責任を自分でなく、上司に担ってもらえる。次に、会話を二者択一のやり取りから、何が最重要かに関する協働的な議論にリフレーミングできる。

 やることリストに追加すべきか検討中のタスクに関しては、まずカレンダーをブロックする。私たちがたびたび余裕をなくすのは、自分のキャパシティをあまりにも楽観視しすぎているからだ。

 スケジュールを確認し、ある程度の見通しを立て、「よし、これなら金曜までに終わらせられるだろう」と考える。そして金曜になると、驚いたことにスケジュールを再交渉しなくてはならない事態に陥っている。

 難しいのは、ほとんどの場合、カレンダーには同時性が求められる仕事に割り当てる時間しか書き込まれていないことだ。すなわち、誰かと同時にやる必要があるタスクで、会議や電話、コーヒーチャットなどがこれに含まれる。

 あなたのやることリストは、自分の時間を要するが他の人たちとの同時性は求められない仕事、つまりリアルタイムで一緒に行う必要がなく、自分だけで行うタスクに関する合意が並んでいる、別のリストである。

 これを解決するには、やることリストのそれぞれのタスクをカレンダーに組み入れて時間をブロックすることで、カレンダーとやることリストを統合させる。自分が合意したすべてを可視化することで、追加の仕事を引き受ける前に自分の本当のキャパシティを把握できるようになる。