見過ごされる意見を
アンプリフィケーションすることで
地位の低さが克服される

 アンプリフィケーションは一般に役立つかもしれないが、注目を浴びることで厳しい視線にさらされる恐れのある貢献者やアイデアにも役立つかどうかを確認したいと、筆者らは考えた。

 その結果は、アンプリフィケーションはすべての人の役に立つ、すなわち過小評価されている人や地位の低い従業員に対して行うと彼らの助けになる、という考えを裏付けるものだった。

 最初の研究では、発言者が改善点を提案することでグループに貢献した場合と、解決を目指している問題に焦点を当てることで貢献する場合を比較した。過去の研究では、発言者が問題に焦点を当てた言葉を使うと、より否定的な判断を下されることがわかっている。筆者らの研究もその結果と一致し、発言者が解決策でなく問題に焦点を当てると、参加者は彼らの地位を低く評価した。

 しかし、アンプリフィケーションは問題に焦点を当てた発言者にも有効だった。彼らの地位は当初は低かったが、アンプリフィケーションによってそれを挽回することができたのだ。また、発言者をアンプリフィケーションしたグループのメンバーも同じように恩恵を受け、グループの構成にかかわらず地位が低くなることはなかった。

 当然ながら、何を発言したかではなく、誰が発言したかということが理由となり、グループ内で地位を獲得するのが難しい人もいる。アンプリフィケーションがグループ内の公平性を促進するために利用できるのなら、すでに高い地位を得ている従業員だけでなく、あらゆる従業員の地位を引き上げるのに有効なはずだ。

 2つ目の実験では、会議に登場するメンバーの性別を変えて、男女でアンプリフィケーションの効果が異なるか否かを検証した。

 実験の参加者が会議のシナリオを読む前に、グループメンバーの写真やパフォーマンスの背景情報を提供してメンバーを「紹介」し、会議での発言を記録した音声を提供することで、性別を強調した。

 そのうえで、女性が他の女性に、女性が男性に、男性が女性にアンプリフィケーションを行った場合のそれぞれを検証して、アンプリフィケーションがない場合、男性が男性にアンプリフィケーションをした場合、男性あるいは女性が新しいアイデアを出した場合の結果と比較した。

 なお、女性がみずからの地位を高めるためにアイデアを売り込むよう推奨されることがあるが、男性あるいは女性がそれを行った場合にどうなるかも調査した。すると、性別に関係なくセルフプロモーションをした人はよい印象を持たれなかった。

 発言のタイプの違いに関する最初の研究結果と同様、アンプリフィケーションは「すべての人」にとって有益だった。男性でも女性でも、アンプリフィケーションをされた人は、されない人よりも地位が高く見られた。また、他のチームメンバーに対してアンプリフィケーションを実施した人も、男女問わず、別の反応の仕方をした人により地位が高く見られた。

 これらの結果は、女性――あるいは潜在的に組織内で過小評価されている他のグループのメンバー、特に組織の上層にいるメンバー――がエクイティ(公平性)とインクルージョン(包摂)を高めるために、アンプリフィケーションを利用できることを示唆している。

 女性が女性に対してアンプリケーションを実行すると双方に恩恵があり、発言によって貢献した女性は声の大きな支援者を得て、同僚を評価した女性は寛大だと見られるのだ。