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グループ内で常に公平な議論が展開されるとは限らない。まったく同じアイデアを提案しても、女性や有色人種のようなマイノリティの意見は過小評価されやすい傾向がある。どうすれば意見が見過ごされやすい人たちを支援できるのか。筆者らは、他人のアイデアに支持を表明する「アンプリフィケーション」が有効だという。アンプリフィケーションが実行されると、支持を受けた発言者の評価はもちろん、支持を表明した人の評価も上がることが判明した。


 たいていの人には、グループ内でアイデアが見落とされたり、適切な人に評価が与えられなかったりして、もどかしい思いをした経験がある。

 こうした現象を実証した最近の研究では、78のチーム会議に同席し、アイデアとそれを提示したグループのメンバーに何が起きるのかを調べた。すると、メンバーが提案したアイデアが見落とされることが頻繁にあり、後でアイデアを再考した際に間違った人に評価が与えられることもあった。

 この結果は、女性、有色人種、過小評価されているその他のグループのように、見過ごされたり、話を遮られたりする傾向がとりわけ高いメンバーにとって、特に懸念すべきものだ。

 この問題に対処する創造的な方法を見つけた人たちもいる。たとえば2016年、バラク・オバマ政権の女性職員らは、自分たちの貢献が男性職員の貢献よりも影響力が少ないと考えた。それを改善するため、会議で故意に互いのアイデアへの注意を促し、正当な評価が与えられるようにした。それにより女性職員のフラストレーションが軽減され、彼女たちの影響力が増したという。

 オバマ政権の職員たちが取った解決策は、「アンプリフィケーション」(増幅)の一例だ。アンプリフィケーションとは、他者のアイデアを、出所を適切に明示したうえで公に支持することだ。筆者らは研究でこの行動に着目し、その成果を『アカデミー・オブ・マネジメント・ジャーナル』誌に発表した。

 研究では、3つの主要な問いの答えを見つけることを目的とした。1つ目は、他者に対するアンプリフィケーションによって、その人の貢献度がより高く見えるか。2つ目は、アンプリフィケーションはアンプリファイアー(アンプリフィケーションをする人)にも有利に働くのか。そして3つ目は、グループはアンプリフィケーションを活用することで、過小評価されている人の声に耳を傾けさせることができるのか、である。

 米国の2760人以上を対象とした3つの研究で、これら3つの疑問に対する答えがすべて「イエス」であることがわかった。その仕組みを説明しよう。