10'000 Hours/Getty Images

働く父親は忙しい。仕事に追われ、家に帰れば、理想の父親になるための努力を惜しまない。自分のケアが後回しになっているだけでなく、健康が無視できない状態に悪化するまで問題として認識されないのが現状だ。だが、健康を害することが自分の人生のみならず、家族にどのような影響を与えるか、あなたは考えたことはあるだろうか。新型コロナウイルス感染症にかかり、5日間の入院と1カ月以上の休業を余儀なくされた著者が、「明日は必ず来る」と信じる男性にセルフケアを優先する必要性を論じ、そのための具体的な方法を紹介する。


 2021年3月、私は新型コロナウイルスに感染した。

 米国疾病対策センター(CDC)が指示したことはすべて実行していた。人とはできるだけ6フィートの距離を置き、頻繁に手を洗い、感染者と接触していたことがわかった時には私も家族も自主隔離をした。だが、それでも新型コロナウイルス感染症は私と甥に襲いかかり、妻と息子は見逃された。

 新型コロナウイルス感染症に加えて、私は肺炎、基礎疾患、喘息、そして季節性アレルギーを患っていた。その結果、5日間の入院と1カ月以上の休業を余儀なくされた。

 入院中、新型コロナウイルスの感染者数とそれに伴う死者数が、特に黒人の間で増加しているのを目の当たりにした。病院にいる5日間、私は家族のこと、万が一この危機を乗り越えることができなかったら家族や私の仕事はどうなるのかとずっと考えていた。妻も含めて誰も見舞いに来ることができず、私は一人で怯えていた。

 CDCによると、米国では本稿執筆時点までに58万9000人が新型コロナ関連の病気で死亡し、私が暮らすジョージア州だけでも2万人以上が命を落としている。

 私は、自分が息子たちに示してきた手本についても考えた。黒人、男性、そして父親として、たくさんの懸念があった。私の人生はそれらに左右されている。

 残念ながら、このような社会情勢の中で気ままに暮らしている余裕は、私にはない。社会的記号としての人種がもたらす現実のために、日常的な環境を常に意識することを求められている。実際、人種差別は長い間、有色人種の精神的・感情的・身体的健康にネガティブな影響を与えるストレス要因となってきた。

 さらに、家族の面倒を見て、自分が理想とする父親になり、ビジネスを運営する努力もしている。周りの多くの男性や父親たちと同じように、私も自分自身の健康について考えることはほとんどなく、ましてやそのために時間を割くことはない。

 男性の身体的・精神的健康に関しては、それを害することが家族にどのような影響を与えるかを考えることはあまりないのが現状だ。自分自身にどのような影響があるかについても、ほとんど考えられていない。

 その理由の一つは、私たちが健康を優先していないからだ。悲しいことに、健康は無視できない状況に直面するまでは、問題視されないことが多い。それもそのはずで、社会は私たちに対して、言い訳せずに働き、生産することを求めている。