2. 世代間の距離

その国では、世代間のギャップがどれくらい広く、深いのか。

 この問いは非常に重要だ。たとえば、米国において、ベビーブーム世代とその子どもたちの世代はどのように違うのか。この点における米国の状況は、中国とどのように異なるのか。

 ヤング・チャイナ・グループでよく言うのは、米国と西欧に「世代間のギャップ」があるとすれば、中国にはそれよりもはるかに大きな「世代間の深い溝」が存在するということだ。

 1969年、米国で筆者の父親が伝説の大規模野外コンサート「ウッドストック・フェスティバル」に行くかどうかを議論していた時、中国人の友人の親はまだ文化大革命の混乱期に生きていて、当時の中国の1人当たり国内総生産(GDP)は米ドル換算で100ドルにすぎなかった。

 その後、中国の社会と経済は途方もない変化を経験した。そうした歴史を考えると、今日の中国の成人とその親の世代にどのくらいの共通点があると思うだろうか。

 中国には、3年ごとに世代間ギャップが存在するというジョークがある。たしかに、過去30年間で極めて大きな変化が目を見張るスピードで進んできた中国では、ミレニアル世代やベビーブーム世代といった具合に、20年ごとのくくりで世代の特徴をとらえることは不可能に等しい。

 ヤング・チャイナ・グループで中国の世代を分析する際は、たいてい10~15年くくりで考える。たとえば、「1995年以降に生まれた世代は、スニーカーのトレンドに対してどのような反応を示しているか」といった問いを立てる。

 世代間の距離は、消費のトレンドが世代間でどのように違うか、親と子どもの世代で消費傾向やライフスタイルがどのくらい異なるか、ある国で漠然と「消費者」をひとくくりにして論じることにどの程度の意味があるかを考える時に、重要な意味を持つ。

3. 世代間の継続性

私たちのものの考え方は、どのくらい親から影響を受けるのか。私たちは、どのくらい親の世代の生き方に反抗し、どのくらい親の世代の生き方を継承するのか。

 心理セラピーを受ける時、「まずあなたのお母さんについて聞かせてください」と最初に言われるのには理由がある。私たちは、世界観や道徳観、価値観、職業観など、親から非常に多くのものを受け継ぐ。

 米国のベビーブーム世代はしばしば、親の世代の信念や価値観に反抗することを、みずからの特徴と位置づけてきた。この世代は、権威を拒絶し、みずからの情熱の赴くままに行動して、自己中心的な「ミー世代」と呼ばれるようになった。

 当時、こうした行動はかなり過激なものに見えていた。しかし、今日のミレニアル世代は、このようなことをすべて当たり前だと考えている。

 中国の状況は明らかに異なる。いまの年長世代が育った毛沢東時代は、飢饉にしばしば苦しめられていて、必需品も十分に手に入らなかった。教育を受けることも推奨されていなかった。

 そうした背景の下、今日の中国のミレニアル世代とZ世代は、贅沢の追求を有意義なものと見なしている。その中には、豪華な外食を楽しんだり、手の込んだお茶を飲んだりといったささやかな贅沢も含まれる。

 この世代は、美食三昧の生活を送り、ステータスシンボルとして高級品を購入し、国外に留学して勉強している。こうしたライフスタイルを嘲笑する人も多いが、この世代はある意味で親の世代が夢見た生活を送っているのだ。