主観的なイベントも
客観的時間と同じように重要

 主観的時間に関する研究から得られるもう一つの重要な教訓は、時間は時計やカレンダーではなく、イベントを基にすることができるということだ。

 仕事や会議は一般に特定の時間に行われ、正午になるとランチのために中断する。これに対し、より魅力的な働き方は、時計の時間(朝8時に勤務を開始して正午にランチのために中断するなど)ではなく、イベントのリズムに合わせることだ。

 イベントに合わせた時間で働くと、スケジュールよりも仕事を優先することができる(準備ができたら仕事を始め、休憩が必要になったら中断するなど)。仕事を自然なイベントとして捉えると効率よりも効果を重視し、時間をコントロールしているという認識が高まり、仕事をより楽しむことができる。

 固定された仕事のスケジュールを手放すことで、私は仕事をしている時もしていない時も、一定の時間を費やさなければならないとは考えなくなった。また、次の仕事に移る前に、やり切ったという満足感を得られるようになり、時間を気にせず仕事に没頭できるようになった。

 こうした経験は「フロー」として知られる。フローは生産性が高いだけでなく、その瞬間とマインドフルな気づきの恩恵を十分経験することで、より充実したものになる。

 さらに、マインドフルネスを実践することは一般的に有益であると考えられているが、「イベント時間」の中で仕事をすると、偶発的なマインドワンダリングの利点を活かすことができる。

 マインドワンダリングは、知識労働において重要性が高まっている、斬新で創造的なソリューションが必要な時に価値を発揮する。イベント時間では発散的で自由に考えることができるので、過度に計画を重視する時間管理の考え方が排除する「アハ・モーメント」が可能になる。